(株)長谷工総合研究所は、首都圏・近畿圏のマンション市場における一次取得者、中でもファミリー層向け住戸の供給状況について行なった分析結果をレポートにとりまとめ、発表した。
一次取得者が購入しやすい価格帯の供給戸数推移では、首都圏(4,000万円未満)は2005年まで5万戸超であったが、08年以降は2万戸を下回る低水準の供給が継続。近畿圏(3,000万円未満)でも、05年までは1万5,000戸超であったが、08年以降は8,000戸前後での推移が継続している。
60~80平方メートル未満という面積要件と、首都圏4,000万円未満、近畿圏3,500万円未満という価格要件を満たした物件を「ファミリー層向け住戸」と定義し、02年以降の供給戸数を集計したところ、首都圏では06年まで2万戸超であったが、09年には9,325戸にまで減少。10・11年は1万戸超にまで増加したが、06年依然と比較すると依然低水準での供給となった。近畿圏では05年までは1万5,000戸を上回り、06年、07年も1万3,428戸、1万2,309戸と1万戸を超えたが、08年以降は1万戸を割り込み、11年には7,837戸までに減少したことが分かった。
同社では、首都圏・近畿圏ともに一次取得者、特にファミリー向け住戸の供給は以前低調で、この層に向けた供給が行なわれていない市もあることから、それらの地域では、こうした物件に対する潜在需要が高まっていると思われる、と分析している。