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総戸数約1,500戸、千葉・船橋で環境配慮型の大規模マンション発売/野村不動産・三菱商事

「プラウド船橋」1街区完成予想図
パッシブデザイン「ウチソト」の一つである、リビングと廊下を仕切る扉に設置した通風窓。扉を閉めたまま室内に風を導き入れることができるほか、サッシュと玄関を同時に開けたときリビングドアが急速に閉まる現象を防止できる
各住戸に設置した「パネネコ」メーター。同物件は、電力一括購入により、ユーザーの電気使用量により3段階の料金が設定され、使用量が少ないほど電気料金単価が下がる。このメーターで使用量をチェックすることで、入居者の自発的省エネを促す
総面積約17万平方メートルにも及ぶ開発地。東武野田線「新船橋」駅を超え、西側には25日開業した大規模SC「イオンモール船橋」が見える

 野村不動産(株)は25日、三菱商事(株)と共同で開発を進めている千葉県船橋市の大規模複合開発「みらSATOタウン」の核となる分譲マンション「プラウド船橋」を、6月下旬にも発売すると発表。同日、モデルルームを報道陣に公開した。

 「みらSATOタウン」は、東武野田線「新船橋」駅前、総面積約17万平方メートルの旭硝子工場跡地の再開発。「未来のふるさと」の創出を目的に、継続的環境価値を創出する「スマートシェア・タウン構想」のもと、(1)先進の環境技術、ITネットワーク技術等を活用した最先端の都市のシステムと基盤づくり、(2)居住者の「絆」を創出する仕組みやきっかけづくり、(3)先進社会システムを共有する仕組みをハード・ソフト面からの整備によりまちづくりを進めていく。なお、タウンネーミングは「船橋森のシティ」。

 25日に開業した大規模SC「イオンモール船橋」と、マンション約1,500戸と戸建住宅42戸の住宅開発のほか、船橋総合病院の移転開業、スーパーマーケット、子育て支援施設、大型公園などの整備を行なう。まちづくり全体の事業幹事を三菱商事が、住宅開発事業幹事を野村不動産が引き受ける。

 「プラウド船橋」は、地上10階建てのマンションを、全5街区に分け開発。先行の1.2街区は、スーパーマーケットや病院とともに13年に竣工する。駐車場に電気自動車(以下・EV)対応区画を200区画完備した「EVモビリティタウン」の形成や、EV・リチウムイオン電池・太陽光発電の融合による非常災害時の電源確保システム、各住戸のスマートメーターによる電気・ガス・水道のエネルギーの見える化、CO2排出権国内クレジット制度によるベネフィットのまち運営などに取り組んでいく。

 住戸は、3LDK・4LDK、専有面積約70~100平方メートル。平均専有面積は79平方メートル。通風機能付きのリビングドア・玄関ドア、引き戸の採用、センターオープンサッシュなどのパッシブデザイン「ウチソト」を導入したのが特徴。

 予定販売価格は2,600万円台から。坪単価150万円前後を見込む。事前問い合わせ件数は5,500件を突破。事前説明会への来場者も2,000組にのぼっており、1・2街区は全573戸の半数以上を1期販売したい考え。

 同日会見した野村不動産執行役員の問田和宏氏は「多世代が将来にわたり心地よい生活を送れる“未来のふるさと”づくりに関われることを光栄に思う。千葉県のマンション供給量は、東日本大震災後前年比3割も落ち込んでいるが、このマンションがマーケットを変えるきっかけになればと思っている」などと語った。また、三菱商事開発建設本部都市開発ユニットマネージャー・高橋澄人氏は「当社の持つ環境関連のビジネスコンテンツのすべてを導入している。環境配慮のハードだけでなく、日々の生活のなかで絆を深めてもらえる、持続可能な新しいまちづくりモデルとして、海外にも輸出したい」と抱負を述べた。


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