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都心3区のオフィス賃料、中型以下が3期ぶり上昇/三幸エステート調査

 三幸エステート(株)は25日、東京都心3区(千代田区、中央区、港区)オフィスマーケットの規模別指標、「オフィスレント・インデックス」の2012年第1四半期版を発表した。(株)ニッセイ基礎研究所と共同で開発した、成約資料に基づくもの。

 1994年第1四半期を100とした当期の都心3区賃料指数は、3区全体が73(前期比0ポイント)、大規模ビル67(同▲4ポイント)、大型ビル66(同▲6ポイント)、中型以下77(同3ポイントアップ)。

 大規模ビル、大型ビルで賃料の下落が継続し、統計開始以来の最低値を更新したが、中型以下は3期ぶりの上昇を記録し、3区全体では変化がなかった。今期は大規模、大型ともに前期以上に下落幅が拡大し、大規模・大型ビル市況は二番底に向かう様相も見せる。一方、今期は上昇に転じた中型以下だが、前期に過去最低を記録しており、更なる値下げ余地の乏しさが下げ止まりの背景にある可能性もあり、「賃料上昇局面入りの見極めには、今後の動きを注視していく必要がある」としている。

 また、賃料の前年同期変動率は、3区全体で▲0.4%、大規模ビル▲7.0%、大型ビル▲5.6%、中型以下3.3%アップとなり、中型以下は08年第3四半期以来、14期ぶりのプラスを記録。1年前との比較では中型以下がプラスに転ずる一方、大型・大規模と建物規模が大きくなるにつれて市況回復の遅れが目立ち、同社は「マーケットの方向感がつかみにくい状況」としている。


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