(株)ニッセイ基礎研究所は26日、不動産投資レポート「不動産クォータリー・レビュー2012年第1四半期」を発表した。
12年の大型ビル竣工ラッシュが始まった東京オフィス市場では、空室率上昇、賃料低下の動きが顕著となった。12年第1四半期の東京都心3区大規模ビル(基準階貸室面積200坪以上)の空室率は5.8%と4期ぶりの上昇、賃料は坪当たり月額1万4,828円と2期連続の下落。ただし、賃料の低下率は縮小傾向が強まり、新築ビル竣工に伴う企業の移転ラッシュが一段落する12年下期には、品薄となったAクラスビルを中心に市況が改善する可能性が高いと予測している。
また、東証REIT指数は、日銀による追加金融緩和策の発表や、世界的な景気回復期待などから、前期末比18.6%の上昇。J-REITによる第1四半期の物件取得額は1,736億円と、前期(1,988億円)に続く高水準となった。ケネディクス・レジデンシャル投資法人の新規上場により、銘柄数は34社に増加。今後も複数のREITが上場予定で、「既存REITの積極的な物件取得と合わせて、運用不動産の拡大と多様性が期待される」と分析している。