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増収も特別損失計上等で減益に/三菱地所12年3月期決算

 三菱地所(株)は7日、2012年3月期決算を発表した。

 当期(11年4月1日~12年3月31日)の連結営業収益は1兆130億6,900万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は1,462億9,900万円(同▲7.6%)、経常利益は1,206億6,500万円(同▲7.8%)、当期純利益は565億1,200万円(同▲12.0%)。増収を達成したが、固定資産売却益22億500万円を特別利益に、固定資産除却関連損77億2,800万円や減損損失181億3,300万円など計353億5,700万円を特別損失に計上した結果、最終益は減益となった。
 
 主力のビル事業は、前年度比で建物賃貸収益が減収となったものの、「赤坂パークビル」(東京都港区)の売却等によりその他収益が増収となったことから、営業収益5,108億5,000万円、営業利益1,460億700万円と増収増益に。当期末時点での空室率は3.58%。
 住宅事業は、マンション事業において「浅草タワー」(東京都台東区)や「パークハウス千里中央」(大阪府豊中市)等の売り上げを計上したが、前年度比で売上計上戸数が減少。結果、営業収益3,428億2,300万円、営業利益47億9,200万円と減収減益であった。
 
 同日開催された説明会で、同社常務執行役員の加藤 譲氏は「当期の減益は震災の影響等もあり想定内。マンション事業では当期末時点の完成在庫数も296戸(前年度末:571戸)と減っており、堅調に推移している。またビル事業では、都心プライムエリアのSクラス物件へのニーズが底堅く、二極化が進んでいる。空室率は低下傾向でリーシングの動きも出ているため、2012年内での賃料回復に期待している」などと話した。

 次期は、ビル事業などで当年度に計上した物件売却収入がなくなることにより、連結営業収益は9,270億円、営業利益は1,340億円、経常利益は1,090億円、当期純利益は500億円を見込んでいる。


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