不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

東京・南麻布のフランス大使館旧館跡地で定借マンション/野村不動産、三井物産

「プラウド南麻布」完成予想図。定期借地権により所有権分譲より15%程度価格が抑えられているというが、それでもリーマンショック後の分譲マンションとしては最高額となる
モデルルーム内部。全住戸がオーダーメイド対応。フランス大使館所有の森に面する住戸は、バルコニー奥行きを3

 野村不動産(株)は、三井物産(株)と共同で進めてきたフランス大使館旧館跡地の再開発マンション「プラウド南麻布」(東京都港区、総戸数88戸)の第1期(64戸)販売を、16日から開始する。

 同物件は、東京メトロ日比谷線「広尾」駅徒歩7分に立地する、地上7階地下1階建てのマンション。両社が2007年から進めてきたフランス大使館建て替えプロジェクトの一環で、09年に大使館が先行完成。旧館跡地を両社出資のSPCがフランス共和国から借上げ、60年の定期借地マンションとして分譲する。60年後は建物ごと返還することで、解体費用の積み立て負担をなくしている。また、フランスも地代による収益を得ない方針のため、居住者の地代負担も1平方メートル当たり月額105円と低い。

 開発地は、もともと尾張徳川藩の屋敷跡で、約1haの森が残っていたため、この森を最大限に活用することを主眼に、ランドプランを立案。54戸を森に隣接させたほか、ガーデンテラスやゲストルーム、ホールといった共用部をすべて森側に配置した。また、建物外観は、新設されたフランス大使館と部材を共通化するなどして、イメージの統一感を演出している。

 住戸は、2LDK・3LDK、専有面積69~192平方メートル。全住戸をオーダーメイド対応としている。森側の住戸については、その景観を充分堪能できるよう、バルコニーの奥行きを3,200mmと広く採っている。

 販売価格は、6,090万~4憶9,000万円。平均坪単価は415万円。リーマンショック後分譲された、最も高額なマンションとなる。4月からプレセールスを開始。これまでに、約6,000件の事前反響を得ており、すでに予約制で800組以上をモデルルームに案内した。事前来場者の約9割が、何らかの形でオーダーメイドを希望しており、最高で約2,000万円のオーダーを行なう意向を示しているという。

 14日の報道陣向けモデルルーム公開の場で挨拶した野村不動産取締役専務執行役員住宅事業本部長の宮嶋誠一氏は「フランス大使館と同じ敷地内に住む、江戸時代から引き継がれた森に隣接する閑静な住環境など、この地でしか得られない価値がある。定期借地期間を60年としたことで、終の棲家、2世代居住のステージとしても評価されている」と自信を見せた。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら