(社)日本ツーバイフォー建築協会は22日、NPO法人建築技術支援協会(東京都文京区、代表理事:松村秀一氏)と連名で、ツーバイフォー工法の耐火構造の床について、新たに国土交通大臣認定(1時間耐火)を追加取得したと発表した。
同協会では、ツーバイフォー工法による耐火構造認定を各構造部位について、2004年に国土交通大臣から初めて取得。防火地域でのツーバイフォー住宅(100平方メートル超)や、4階建ての共同住宅、商業施設、ホテル等の特殊建築物のほか、高齢者向け施設や幼稚園、保育所等の非住宅についても建設が可能となった。
今回新たに認定取得したのは、(1)平行弦トラスを根太に用いた耐火構造(1時間耐火)、(2)根太間にロックウールを充填した耐火構造床(1時間耐火)の2種類。
(1)は、床根太として平行弦トラスを用いるもの。大スパンの架構が計画しやすくなることで、学校、庁舎、老人ホームなどの大規模建築物において、設計がより容易になるメリットがある。ただし、構造計算により設計され、工場などで生産された平行弦トラスに限られている。
(2)は、これまで使われていた耐火構造床の仕様を見直したもの。根太間に吸音材としてロックウールを充填することが可能となり、天井根太の配置感覚を、227.5mmから455mmへ拡大。また、床面の上張り耐火被覆である強化せっこうボード厚を改めた(15mmから21mm)ことによって、アルミ箔の施工が不要となった。
これらの新たな大臣認定仕様については、同協会が制定した運用基準に基づき、6月25日から仕様承諾書の発行などの運用を開始する。
同協会専務理事の池田富士郎氏は会見で「さまざまな耐火構造の実験を実施中で、今後も新しい認定が取得できる見通し。この他、階段と外壁の2つについても申請中であり、性能試験に合格している外壁もすでに3つある」と述べた。
なお、ツーバイフォー工法による耐火構造大臣認定仕様使用承諾書の発行件数は、6月20日時点で1,796件。このうち社会福祉施設は累計で64件となり、増加傾向にある。また、11年度の発行件数は、対前年度比11%増となり、順調に推移している。