(株)一五不動産情報サービスは29日、「物流施設の賃貸マーケットに関する短期予測」(2012年版)の結果を発表した。調査対象は延床面積または敷地面積が5,000平方メートル以上の東京圏の賃貸物流施設184棟。最新データである12年4月から起算して2年後の14年4月までの予測を行なったもの。空室率の予測は、新規供給と新規需要をそれぞれ予測して分析。新規供給の予測は、開発予定の物流施設の床面積を累計して算出している。他方、新規需要の予測はマーケットデータおよび経済指標を用いて新規需要モデルを構築し、モデル式によって予測。また、賃料の予測は空室率と賃料の関連性を分析した上で、空室率の予測結果から賃料の将来見通しへ導いた。
東京圏の需給バランスの予測結果は、12年後半から13年前半まで概ね均衡と予測。13年後半にはマルチテナント型物流施設の新規供給が相次ぐため、13年8~10月の新規供給は51.2万平方メートルまで増加し、需給バランスは緩和方向にシフトしていくとした。
空室率の予測では、13年7月まで空室率は2%台で推移するが、13年10月には4.2%まで上昇する見通し。一方、テナントが利用中の面積を示す稼働面積(薄赤面)は堅調な推移で、12年4月の650.5万平方メートルから14年4月には832.7 万平方メートルにまで拡大すると予測した。
賃料水準の予測は、12年4月はの3,920円/坪のところ、13年4月に4,000円/坪、14年4月に4,050円/坪まで上昇する見通しとした。もっとも、2年間の賃料上昇幅は120 円/坪で、プラス3.1%に留まるとし、賃料水準の大幅な上昇は期待できず、上値の重い展開が続くと予想した。