国土交通省は4日、第4回「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会」(座長:村上周三一般財団法人建築環境・省エネルギー機構理事長)を開催。これまでに議論してきた内容をとりまとめ、取り組むべき課題を明確化した。
共同住宅で的確な修繕・改修が行なわれるためには、所有者(管理組合)が修繕・改修の必要性や現在の性能の問題を十分に認識する「気づき」が必要と指摘。専門家による定期点検を実施していない共同住宅では、劣化や耐震性不足等の問題に応じた調査が行なわれず、不要不急な工事につながる恐れがあるとし、これら問題の解決策として、所有者や専門家が必要な情報を利用できるよう、修繕・改修に関する情報を適時的確に提供することが必要と示した。
また、修繕工事資金の円滑な調達の必要性も指摘。老朽マンションの再生を進めるためには、積立金が潤沢でない管理組合の資金調達や、修繕積立金が計上されていない工事を実施するための資金調達が重要であるとした。
さらに、共同住宅の再生に資する技術について、耐久性・耐用性、環境・省エネルギー、耐震性、防災性、高齢者対応の5つの分野から、調査診断・改修技術を収集し、継続的に分かりやすく開示していくことが重要と提言。また、主に専門家の利用を想定し、共同住宅ストック再生に役立つ調査診断技術、修繕・改修技術について、シートごとにまとめる作業も必要であると、今後の方向性を示した。