三井ホーム(株)は、三井不動産(株)がスマートシティプロジェクトを進行している柏の葉キャンパスエリアに、ツーバイフォー工法による実証実験住宅「次世代スマート2×4 “MIDEAS”」を完成させ、10日に報道陣に公開した。
オリジナルパッシブ環境技術の検証、および魅力あるライフスタイルの実現に向けたエネルギー・スマート技術の最適化を目指して実験を進めていく。合わせて柏の葉スマートシティAEMS(エリアエネルギー管理システム)と“MIDEAS”に導入しているHEMS(MIDEAS HEMS)との連携接続と、AEMSの拡張性についても検証する。なおHEMSとAEMSの連携は、住宅業界初の試み。
敷地面積305.03平方メートル、建築面積106.61平方メートル、延床面積168.50平方メートル。
スマートウィンドウや潜熱蓄熱剤利用ダブルスキンの導入、パッシブデザインの導入、次世代トータル空調やLED照明の導入などで、電気使用量を約50%削減するとともに、LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス=住宅の建設から解体までのライフサイクルトータルでCO2排出量がマイナスになる住宅)として、90年間のCO2排出量を100%とした場合、36%のCO2マイナスを実現する。
さらにエネルギーの自給自足生活のために、屋根一体型太陽光発電システム(10kwh)、蓄電池2台(計10kWh)、アシスト電源(ディーゼル発電機、7kWh)などを導入、できるだけ電気を購入しない生活の実現を検証する。
また屋内外に地震観測センサーや気象観測センサー、温湿度照度センサーなど多種のセンサーを設置。個別住宅の地震による損傷度を、モニタリングセンシング技術によりすばやく把握するとともに、点検・復旧を支援したり、気象センサー・温湿度照度センサーのデータを生かしながら、MIDEAS HEMSを経由して窓の開閉、自動制御などで室内環境を調整することで、快適で利便性の高い住まいづくりを目指す。
なお、MIDEAS HEMSは次世代HEMSとして、発電電力、使用電力のコントロールのほか、温度湿度、天気の管理、窓やブラインドルーバー、照明、エコキュート、玄関ドアキーなど、さまざまなものをコントロールする。合わせて柏の葉キャンパスエリアのAEMSに「MIDEAS HEMS」を組み込むことにより、地域エネルギー情報との連携についても実証を進めていく。
その他、ケーブルなしで電気自動車に給電する「EVワイヤレス給電システム」や、手振りで設備・家電を操作する「ナチュラルユーザーインターフェイス(Kinect活用操作システム)」などの実験も進める。
11月9日までが公開期間で、11月12日から2013年9月30日まで基礎実験を実施。続く10月1日から11月30日まで、入居実験を実施する予定。
それぞれの商品・サービスは、開発の完了次第、商品化・展開していく計画。