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オフィス・賃貸住宅市場ともに、今後緩やかな回復へ/三井住友トラスト基礎研究所

 (株)三井住友トラスト基礎研究所は20日、「不動産マーケットリサーチレポート(2012年4月時点)」の概要を発表した。

 オフィス市場は、賃料の割安感と底堅い国内景気を受け、業績好調な企業のオフィス床の拡張、自社ビルから賃貸ビルへの移転、郊外から中心部への移転が活発化したことにより、需要の増加傾向が継続。この傾向は、割安感の強い空室の減少に伴い徐々に弱まっていくと予想。13~14年は、多くの主要都市で供給抑制傾向が強まると見られ空室率の低下が継続、15~16年には回復に転じたオフィス市場を受け、新規供給が再開され空室率の低下傾向は緩やかになると予想した。平均成約賃料は、12年に底打ちした後、緩やかな上昇に転じるとしている。

 賃貸住宅市場は、人口の転入超過や高齢借家世帯の増加、分譲住宅の取得能力低下(所得伸び悩み、金利上昇等)により、主要都市の賃貸需要は増加すると予想。しかしながら、借家に居住する比率の高い若年層が減少するため、賃貸需要の増加は緩やかになるとしている。一方、供給については、地価や建築費の下落が小幅にとどまることなどから、新規供給は利便性の高いエリアに限定。その結果、全国的に底堅い賃料動向となり、供給抑制と人口流入の続く東京では緩やかな上昇が続くと予想している。

 不動産投資市場においては、海外主要都市の賃料が今後頭打ち、または下落局面入りすると予想される中で、日本の不動産市場は緩やかながら上昇を期待できる状況となったことから、不動産売買は増加、キャップレートは緩やかに低下していくと分析。ただし、投資家の物件選別姿勢は今後も残るため、回復傾向は緩やかになるだろうとした。


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