(株)不動産経済研究所は11日、首都圏新築分譲マンションのオール電化物件に関する調査結果を発表した。調査期間は、2011年の1年間および12年上半期(1~6月)。
11年のオール電化マンションの供給戸数は4,469戸(前年比▲15.3%)で、全供給戸数(4万4,499戸)に対するシェアは10.0%(同▲1.8ポイント)となった。オール電化シェアは3年連続のダウン。
ディベロッパー各社が建築コストの上昇などによって上がり始めたグロス価格を抑えようと、住戸専有部の設備面のコストダウンを図ったのが要因。加えて、07年7月に発生した新潟県中越沖地震で生じた柏崎原発の稼働停止や、11年の福島第一原発事故による計画停電によって、安定的な電力供給への不安と節電機運が高まり、09年以降の普及拡大の足かせとなっている。初月契約率は75.2%(前年比▲8.2ポイント)と3年ぶりにダウン、全体の契約率(77.8%)も下回った。
一方、11年上半期は2,252戸(前年同期比17.5%増)、全供給戸数(2万746戸)に占めるシェアは10.9%(同0.4ポイント)となった。初月契約率も80.2%(同0.5ポイントアップ)と上昇した。
同社は、今後のオール電化マンション供給について「福島第一原発事故の影響による電気料金の上昇と、その終結地点が見えないことで、中堅デベロッパーを中心に採用を見合わせる動きが出てくることが予想される」としているが、一方で「太陽光発電などによる次世代『省エネ・創エネマンション』への採用増加や高齢化社会における安全性・利便性への信頼感への高まりが大きいことなどから、オール電化マンションの供給の落ち込みは限定的」とコメントしている。