シービーアールイー(株)は11日、報道陣を対象にしたセミナー「東京主要商業地動向を考察する」を開催。同社コンサルティング事業部シニアコンサルタント・柴田 才氏が主要商業地の動向についてデータを基に解説した。
「銀座」、「表参道」、「渋谷」の募集面積指数はサブプライムローンやリーマンショックの影響を受け上昇していたが、景況感の回復とともに徐々にテナントの出店意欲が戻り始め、立地条件の良いビルを中心に空室消化が進展。2011年第2四半期にはいずれも低下基調となり、現在も維持している。また、「新宿」や「池袋」は募集面積の少ないことから劇的な改善はないものの、安定的な横ばい傾向にある。
12年3月期の募集賃料水準は、「表参道」、「新宿」、「銀座」、「渋谷」、「池袋」の順となり、「表参道」と「新宿」については、前月比で増加しており、市場変化の兆しとなることに期待が寄せられる。その他のエリアに関しては緩やかな低下基調から横ばいという動きがみられるとした。
またセミナーでは、同社リテールサービス部シニアディレクター・遠山芳博氏が主要商業地の動向について解説。「銀座」は、並木通り4~5丁目の賃料相場が上昇、拡大していることから、「銀座内部の二極化」の可能性を指摘。また今後、「(仮称)銀座ガーデン」や「(仮称)銀座5丁目プロジェクト」等の開発が予定されていることから、商業の中心軸が異動する可能性があるとした。
「表参道」については、青山エリアの賃料単価の上昇、みゆき通りや骨董通りの復調、キャットストリートの大型物件の入れ替わり等のトピックを紹介。「2011年は主要商業地の回復期の入り口にあったが、反転前に震災の影響を受ける形となった。12年は銀座や表参道等の需要の高いエリアの回復がみられ、こうした動きが全国に波及していくことに期待している」(同氏)などと話した。