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横浜・洋光台団地再生プロジェクト、エリアマネジメントが始動/UR都市機構

アドバイザーからは「生活を支援するサービス提供」「現実的なコミュニティ形成」「消費者に効果的なブランディング方法」さまざまな意見があがった。
「洋光台プロジェクトを先進的なまちづくりのモデルケースにしたい」と述べる上西理事長

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は3日、まちづくりプロジェクト「URルネッサンス in 洋光台」の第2回アドバイザー会議を「ハンマーヘッドスタジオ 新・港区」(横浜市中区)で開催した。

 同プロジェクトは、高齢化が進む「洋光台中央」「洋光台北」「洋光台西」の3団地(横浜市磯子区、築42~45年、総戸数3,350戸、敷地面積約207.5ha)を、同機構のこれまでの団地再生ノウハウを集結し、団地や周辺エリアの再生および活性化を図るもの。建築家・隈 研吾氏や社会学者の上野千鶴子氏など6名がアドバイザーとなり、活性化方法について議論を重ねてきた。

 今回の会議では、第1回会議(11年12月開催)や、5回のディスカッションで見えてきたキーワードを各アドバイザーが紹介。とりまとめとして隈氏は「ハードの再生に依存するのではなく、ゆとりのある広場や道路、商業スペースなど充実した周辺環境を生かし、育児や介護などをサポートするサービスを誘致する。点在する集会所を活用したコミュニティカフェの運営や、住まい方の提示や低価格というのも1つのブランディングとなる」などと述べた。

 アドバイザーの提案を受け同機構は、5~10年の長期スパンで、高層住棟や集会所の改修、サービス付き高齢者向け住宅やEV・カーシェアリングの導入、駅前広場・商業施設の活性化、防災拠点の強化などを実施していくと発表。すでに「洋光台エリア会議」(座長:小林重敬東京都市大学都市生活学部教授)が立ち上がり、エリアマネジメントを始動。今後は、さまざまな人からアイディアを募集するリレーコンペティションやワークショップの開催などを予定している。

 同機構理事長の上西郁夫氏は「UR団地の約6割が築30年以上を占めており、老朽化や高齢化から団地やエリアの活性化が求められている。本プロジェクトは、官民が連携しながら先駆的なまちづくりを行ない、他の団地でも応用できるモデルケースとなることを目指す」と述べた。


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