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都心Aクラスビルの賃料、5四半期で2割上昇。改善傾向が鮮明に/三幸エステート調査

 三幸エステート(株)は4日、2012年第4四半期の東京都心部Aクラスビルのマーケット状況を公表した。都心5区の主要オフィス街および周辺区オフィス集積地域の、延床面積1万坪以上、基準床面積300坪以上、築年数15年以内、高い耐震・環境性能等を有するオフィスビルが対象。

 当期(12年10~12月)の成約ベース賃料は坪当たり2万3,969円で、前期比2,674円増加と改善傾向が鮮明になった。直近の最低値(11年第3四半期)である坪1万9,706円からは2割を超える上昇で、賃料の底打ち傾向が見て取れた。この要因について同社は「12年後半には景気底入れに向けた兆しも鮮明化しつつあり、本格的なオフィス市況回復への期待が高まっている」とした。

 一方、空室率は9.2%(同0.3ポイント増)と、供給ピークであった03年以来となる9%超となった。新築ビルを含む築浅ビルへの需要は顕在化しているものの、築10年以上のビルを中心にテナント退去に伴う二次空室が増加傾向はある。同社は「需要拡大による本格的な需給バランスの改善に至ってはいない」とコメントしている。


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