(株)コスモスイニシアは、産学協同の研究プロジェクト「COCOLABO(ココラボ)2012」での成果を、“『余白』のある住宅”としてまとめ、現在販売中の一棟リノベーションマンション「リノマークス津田沼」(千葉県習志野市、総戸数65戸)内にモデルルームとして設置した。
「COCOLABO(ココラボ)」とは、同社が「個々(coco)の住まいをともに考える研究所」として取り組んでいるプロジェクト。06年の着手以来、大学研究室、生活者、コスモスイニシア社の者がコミュニケーションを図りながら、より良い住空間の研究を進めている。「COCOLABO 2012」では、「住まいながら手を入れることができる『余白』のある住宅」をテーマに、東京工業大学塚本研究室を含めた3者で研究を重ねている。
設置したモデルルームは、97平方メートル・3LDK。日本に古くから伝わる素材や、和室の部屋のつながり感をマンションに取り入れ、さらにその素材に対し「飾る」「磨く」「張る」といった6つのキーワードを設定し、入居者が住みながら手を加えることができるような仕上げとした。
玄関床は栃木の益子焼の素焼きタイルを採用。水で磨くことで風合いが引き立ち、また一部タイルを張り替えることで、独特の色合いを楽しめるようにした。廊下の壁にはナラ無垢材を使用。木そのものの強度を維持しているため、棚を付けての飾り付けも可能で、さらに磨くことで味が出てくるという。
リビングとキッチンの床材には無垢のナラ材を使用し、「冬でも暖かく、物を落とした時のへこみなども、吸湿することである程度もとに戻る性質がある」(同社市場・商品戦略部商品企画課・中島広貴氏)など、維持・管理の観点にも配慮。居室の中央に設けた和室は、床下収納を設置。天井は湿気に強い「よし」材の和天井、床の間にはブランド杉である「北山杉」を使用するなど、日本独特の文化と居住性を両立させたプランニングを実現した。
“住む人が手を加えることで完成するモデル”ということで、障子には障子紙を貼らず、また天然木の窓枠もペンキで色を塗装することなく引き渡す予定だが、顧客が望めば、DIYの方法などについては、同社がアドバイスしていく。
「リノマークス津田沼」は、大手総合商社の社宅をリノベーション・分譲しているもので、同社が推進する一棟リノベーションマンション事業ブランド「リノマークス」を冠した第1弾。9月のモデルルームオープン以来1月末までで約300件の来場があり、すでに50件が契約済み。