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東京Aグレードビル、賃料は上昇の見通し/JLL調査

 ジョーンズ ラング ラサール(株)は21日、2012年第4四半期(10~12月)「アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版」を発表した。同調査は、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析、今後の予測についてまとめたもの。

 当期の東京オフィス市場は、Aグレードビルの坪当たり平均月額賃料が2万7,906円(前期比0.2%増)と、3四半期連続の上昇。空室率は4.1%(同1.0ポイント上昇)となった。新規供給は7万1,000平方メートル、ストックは前期比で1.5%増加した。
 今後12ヵ月の予測については、「質への回避」や事業継続性の強化に関連した需要は継続する見通し。空室率は、おおむね現在の水準で推移、賃料は上昇すると分析した。

 一方、大阪のオフィス市場は、Aグレードビルの坪当たり平均月額賃料が1万798円(同0.1%減)と、6四半期連続の下落。空室率は6.0%(同1.0ポイント上昇)となったものの、前年同期の6.7%からは低下した。
 13年については、第1四半期の大型新規供給により需要の顕在化が期待されるが、ストックは前年比約10%と大幅に増加するため、二次空室の発生が懸念されている。従って、空室率はいったん上昇、その後均衡水準へと緩やかに低下する見込み。賃料は、上半期にかけて引き続き弱含みで推移するが、下半期以降は緩やかな上昇基調に転じる可能性があるとした。

 商業施設市場については、賃料は月額坪当たり6万3,243円(同0.5%増)。経済見通しの改善に伴い、13年にかけて賃料は緩やかに上昇する見通しとしている。

 物流市場は、賃料が前期比0.2%上昇、前年比0.7%上昇し、6四半期連続の上昇となった。年末時点の前年比の賃料上昇は、08年以降初。今後12ヵ月にかけて、通信販売業者等の旺盛な需要が引き続きみられる一方、開発用地は稀少となることから新規供給は引き続き限定的となる見通し。よって、東京ベイエリアの賃料は緩やかな上昇トレンドを継続すると予測した。


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