日本ぐらし(株)主催、ジャープネットと(株)アキュラホームの協賛による「日本ぐらし館 木の文化研究会」が22日、すまい・るホール(東京都文京区)で、第2回シンポジウム「庭との関係に学ぶ木造住宅の未来」を開いた。
「日本ぐらし館」は、日本の伝統と京町屋の居住性や暮らしの文化を現代の住宅へ継承フィードバックしていくため、産学連携で建築・文化研究を行なうことを目的に設立。その活動の一つである「木の文化研究会」は、京都の建築関係の専門家が集い、伝統的な木造住宅に学んだ知恵を現代の住まいづくりに活かし、新たな日本住宅のスタンダードを確立するための研究を行なっている。
シンポジウムでは、京都大学大学院教授の高田光雄氏が「庭との関係に学ぶ木造住宅の未来」をテーマに、本年度の研究の主題について発表。京町家の伝統的な木造住宅と庭との関係から、自然とのかかわり合い、環境調整機能、領域形成機能、住みごたえ、庭の管理システムなどの課題があるとした。
京都工芸繊維大学准教授の矢ヶ崎善太郎氏は「歴史にみる大工と庭師」をテーマに講演。歴史の中で大工や庭師が何をつくっていたのかを、平安時代の建築現場の絵などを使って解説、近代の数寄屋大工の誕生や大工と庭師の関係についての講演を行なった。
このほか、木村工務店大工棟梁の木村忠紀氏、京都庭園研究所庭師の比地黒(ひちぐろ)義男氏が、それぞれ手掛けた建物や庭の写真を使って事例を紹介。その後、同会委員が家と庭との関係、家や庭をつくったり管理していくことなど、さまざまな観点からパネルディスカッションを実施した。