MLCP検討会は31日、(一社)マンションライフ継続支援協会(MALCA)の設立を記念し、日比谷図書館文化会館(東京都千代田区)にて、「マンション防災と『災害列島』の生き方を考える」というテーマでフォーラムを開催した。
MLCPとは、マンション生活継続計画(Mansion Life Continuity Plan)の略称で、災害時にマンション住民が自助と共助で生活を継続するための行動計画のこと。MLCP検討委員会では産官学民の有志が1年間にわたりMLCPのあり方の検討を重ね、マンションの防災・減災の実現を目指す中間支援組織としてMALCAを設立。今後はMALCAとしてマンション居住者、管理組合、管理会社、関係行政機関、各方面の専門家と連携し、マンションと地域の防災・減災のための取り組みを行なう。
フォーラムの第1部では、渋谷和久氏(内閣府大臣官房審議官・国土強靭化推進担当審議官兼務)が「都市防災に欠かせないマンションの災害時自立」というテーマで講演。電力・上水・エレベーター・食料の備蓄など、マンション特有の課題について報告するとともに、確保したい生活について予め想定し対策を施すことが必要である、と語った。さらにマンションをひとつのまちと捉え、平時からマンション内でのコミュニティを形成しておくことが重要であると述べた。
続いて、刑部真弘氏(東京海洋大学教授)が「エネルギーとマンションコミュニティ」というテーマでHEMSなどを使ったエネルギーの「見える化」による実証実験の結果や災害時における多様なエネルギー供給の取り組みなどを紹介した。その上で、マンション全体でエネルギーの使用量について、観察・分析し、結果を公開し、個々の省エネからコミュニティとしての省エネへと意識を変えていくことが必要だとした。
第2部では2人の講師のほか、マンション居住者、管理会社、行政機関からの検討会のメンバーも加わり、パネルディスカッションを開催。東日本大震災時どのような状況であったのか、その後どのような取り組みをしているか、をそれぞれの立場から話をし、マンションの防災における課題などについて活発な意見交換を行なった。
なお、同協会の今後の活動については、検討会のメンバーと、今回のフォーラム参加者からの意見を集約、5月中旬までに方針案を提案し、6月開催予定の第1回総会にて決定する方針。