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東京オフィスビル賃料、12年を底に16年まで上昇/オフィス市場動向研究会調査

 (一財)日本不動産研究所と三鬼商事(株)の共同研究会である「オフィス市場動向研究会」はこのほど、2013~20年の東京・大阪のオフィス賃料予測を発表した。東京都心5区の基準階面積100坪以上のビル、大阪ビジネス地区の延床面積1,000坪以上のビルにおける12年までの成約事例を基に、(公社)日本経済研究センターが公表した中期経済予測データを加えて分析。20年までの賃料および空室率の動向を予測したもの。

 東京ビジネス地区では、12年は新規供給が50万坪と過去平均(30万坪/年)の1.7倍と多いことなどから、賃料は下落を続け、10年を100とした賃料指数も過去最低の93まで低下した。13年は新規供給が25万坪と過去平均を下回り、賃料は5年ぶりに上昇、空室率も7.2%まで低下。14年は賃料回復の流れが継続するため、賃料は約9%上昇、空室率も6.6%まで低下する見込み。
 15・16年も新規供給量は過去平均程度で、賃料は3~5%の上昇が続くが、上昇幅は減少。16年の賃料指数は115、空室率は15年に6.5%まで低下し、16年はほぼ横ばいとなる。17年以降は経済成長率の予測が低いことから、空室率は6.5%前後でほぼ横ばいとなり、賃料は微増で推移すると予測している。

 大阪ビジネス地区は、13年は新規供給が急増するため、空室率は10.1%まで上昇。10年の過去最高(11.9%)に続き2回目のピークを迎える。賃料は再度下落幅が拡大し、賃料指数は過去最低を更新して89となる見込み。
 15年は新規供給量が過去平均をやや下回ることから、回復スピードは緩やかで、空室率は約0.1ポイント低下、賃料は下落から上昇に転換。16年は新規供給が大きく減少するため回復が進み、空室率は約0.4ポイント低下、賃料も3%弱上昇する。17年以降、空室率は緩やかに低下し、20年には7.3%に。賃料は年率2%強の上昇が続く見通しだが、20年でも賃料指数は103とそれほど伸びず、厳しい状況が続くと予測している。


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