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東京Aクラスビル、賃料上昇が継続/JLL調査

 ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は21日、2013年第1四半期における不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向を分析した不動産調査レポート「アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト日本版2013年第1四半期」を公表した。

 東京Aグレードオフィス市場は、賃料(共益費込み)が坪当たり3万1,282円(前年同期比2.6%上昇)。前期比でも0.7%増となっており、緩やかな上昇基調が継続している。空室率は4.4%(同0.5%上昇)となった。12ヵ月見通しでは、円高修正、外需の緩やかな好転予測などを受け、需要が緩やかに回復。13年通年の新規供給は過去10年比で70%程度の水準となること、また竣工時期も第1四半期に集中することから、空室率は下半期にかけて低下傾向で推移し、賃料は緩やかな上昇傾向を維持すると予測している。

 大阪Aグレードオフィス市場は、賃料が坪当たり1万5,752円(同0.8%下落)。7四半期連続で下落が続いているが、前期比マイナス幅は徐々に縮小し、今回は前期比0.3%下落にとどまった。空室率は6.2%(同1.1%上昇)。12ヵ月見通しでは、13年通年の新規供給が、過去5年平均の2倍以上の規模となることから、ストックが前年比で12%増加すると見込まれるが、14年以降の供給が限定的であることから、空室率はいったん上昇後に低下すると予測。賃料は底打ちに近づき、13年末までには上昇に転じる可能性がある、と推測した。

 同社リサーチ事業部長の赤城威志氏は、13年は新政権による景気刺激や金融緩和策による経済改善が期待されることから「賃貸市場では、テナント企業の景況感向上により、既存テナントの増床ニーズが顕在化してきている。一方でオーナーの強気姿勢が高まっており、『今下げて入居してもらうより、様子を見てから』と考えるオーナーも増えるなど、本格的回復への期待が高まっている」とコメントした。


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