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ベンチャー企業支援オフィス、丸の内で1万坪供給目指す/三菱地所

「国内外のベンチャー企業を支援することで、丸の内を新たな価値と市場を生み出せる創造の場へと成長させていく」と述べる杉山社長
「日本創生ビレッジ」内のビジネスクラブ(東京21cクラブ)のラウンジ。運営者側で適切なビジネスパートナーの紹介をするなど、オーダーメイド型の事業支援を行なっている

 三菱地所(株)が東京・丸の内で運営する「日本創生ビレッジ」に海外企業が4社入居。「成長戦略センタープロジェクト」が本格始動した。

 「成長戦略センタープロジェクト」とは、同社が丸の内再開発のまちブランド戦略として掲げる「イノベーションプラットフォームの構築」の一環として、2012年より進めているもの。事業開発支援を受けられるオフィスと入居者同士が交流できるビジネスクラブとして07年にオープンした「日本創生ビレッジ」(新丸ビル10階)を拠点に、日本未進出の海外企業や世界展開を目指す日本の中小ベンチャー企業などのオフィス需要の喚起を行なっている。

 今回、「日本創生ビレッジ」に入居が決定したのは、世界最大級のビジネス型SNS「LinkedIn」を展開するLinkedin Corporationの日本法人、クラウド型のビッグデータプラットフォームを開発・提供しているトレジャーデータ(株)、イノベーション研究やコンピューター開発のパロアルト研究所東京オフィス、環境技術に関するマーケット開発などを行なうsheccoの日本法人の4社。

 22日会見したパロアルト研究所日本代表の佐々牧雄氏は「日本企業のヘッドクォーターが集まる丸の内という立地と、入居者同士のコラボレーションが可能な日本創生ビレッジの体制に魅力を感じた」などと述べた。

 三菱地所は、今秋に「日本創生ビレッジ」を拡張。16年度には大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業において「(仮称)海外企業等支援センター」を整備するなど、今後10年間で事業支援オフィスを最大1万坪供給する方針。同社取締役社長の杉山博孝氏は「世界の都市間競争が激しくなる中、丸の内においてオーダーメイド型のオフィス誘致・支援を進めることで、新たな産業の育成を進め、アジアのヘッドクォーターとして成長させていく」と抱負を述べた。

 また同社は、シリコンバレーを中心とした米国発の有力ベンチャー企業に投資を行なうベンチャーキャピタルファンド「Sozo Ventures-TrueBridge Fund I」にも出資。日本での事業拡大が期待できるシリコンバレーの先進ベンチャー企業に関する情報を収集し、丸の内エリアの企業集積を一層促進する考え。


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