(株)積水ハウスは12日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で「未来への警鐘~子どもを化学物資・アレルギーから守るために」と題したセミナーを開催した。
アメリカの公衆衛生・環境医学の世界的権威であるテキサス大学医学部教授のクラウディア・S・ミラー氏の来日を記念し、世界や日本における化学物質・アレルギーへの対策の動きや、同社の住宅技術開発について考える機会として実施したもの。
主催者として挨拶した同社代表取締役社長兼COOの阿部俊則氏は「当社は千葉大学の『ケミレスタウン・プロジェクト』(シックハウス症候群などを未然に防ぐ予防医学の産学協同研究事業)に参画し、2011年には空気環境に配慮した仕様『エアキス』を開発した。エアキス仕様は鉄骨戸建住宅の約8割まで普及させ、賃貸住宅にも取り入れるなど、室内化学物質の低減に努めている」などと述べた。
ミラー氏は「子どもを基準に家のデザインを」をテーマに基調講演。化学物質や薬物への曝露による健康への影響について「化学物質によって引き起こされるTILT(ティルト)という慢性疾患は、1度曝露すると、今まで耐性があった物質に対しても耐性がなくなり、妊娠中に曝露すると、胎児の脳に損傷を与える可能性がある」などと説明した。
また、千葉大学予防医学センター准教授の戸高恵美子氏がコーディネーターを務め、パネリストにクラウディア・S・ミラー氏、東海大学大学院医学研究科教授の坂部 貢氏、千葉大学大学院医学研究院教授の森 千里氏、同社総合住宅研究所長兼技術研究室長の石井正義氏を迎え、パネルディスカッションも実施。シックハウスの予防方法や、健康に配慮した住まいづくりなどについて、意見を述べ合った。