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陸前高田市「希望の松」、実生苗は厳しくも接ぎ木苗は順調に生長/住友林業

秋から冬にかけて接ぎ穂の採取が見込まれる、「11年春採取 接木苗」

 住友林業(株)、住友林業緑化(株)は18日、東日本大震災の津波被害を受けながら高田松原(岩手県陸前高田市)に残った松の後継樹として育成している“希望の松”の生育状況を発表した。

 2011年春に採取した接ぎ木苗は、苗畑で苗高約80cmにまで順調に生長。秋から冬にかけて、次の接ぎ木増殖につながる接ぎ穂の採取が見込まれる。

 同時期に採取した種子は、発芽した実生苗18本中3本が生長したものの、根の生長が急に止まり、数週間後には芽の生長も停止したことから、枯死と判定。
 同社では、育成時期が自然のサイクルである秋採り春蒔きと逆であったことや、長期間育成を行なった人工気象室から室内に移動させる段階で、自然条件についていけなかったことなどが要因と分析している。

 「希望の松」の伐採が実施された12年秋に採取した種子については、現在までに約70個の種子を播種し、うち9本が発芽した。しかし、これらの種子が震災前の種子であることも想定され、長期間樹上で潮風にさらされてきたことから、11年春採取の種子と比較しても、状態の悪い種子が多く含まれると予測。
 同社は、厳しい状況であることを踏まえつつ、11年の知見を活かせるよう、より慎重に育成していくとしている。


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