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省エネ法施行に先駆け、7月から全棟で「U値」表示へ/スウェーデンハウス

同じ延床面積のA「総2階建て」とB「コの字型平屋」の断熱性能の比較。U値を算出した場合、同じ性能と評価されてしまう。スウェーデンハウス(株)では、今後もQ値を重視していく方針

 スウェーデンハウス(株)は、10月1日の改正省エネルギー法施行に先駆けて、7月1日より全棟でU値(外皮の断熱性能の平均値)表示を開始する。

 同社では、1999年から24時間熱交換型換気システムを標準設備とし、設計段階でQ値(熱損失係数)を計算表示、引き渡し前にC値(相当隙間面積)を実測することで、1棟ごとに性能の高さを顧客に数値で分かりやすく伝えるという「全棟高性能保証表示システム(CQ+24)」を実施してきた。
 改正省エネルギー基準の2020年適合義務化に合わせ、従来のC値とQ値に加え、今回の改正で指標となるU値も全棟表示し、顧客が比較検討しやすいように配慮する。

 なお、U値は外部とダイレクトに接する外皮(床・外壁・窓・天井・屋根など)の断熱性能の平均値を表す数値。一般的にシンプルな形状の建物ほど外部環境の影響を受けにくく、エネルギーロスは少なくなる。
 例えば、同じ延床面積でも、「総2階建て」と「コの字型平屋」を比較すると、Q値は外皮面積が大きい「コの字型平屋」の方が、「総2階建て」よりも低い断熱性能と評価されるのに対し、U値だと同等の断熱性能と評価されてしまう。また、Q値計算では換気による熱損失量を算入しているが、改正省エネルギー法の基準では住宅設備で別にエネルギー消費量を計算するため、U値には換気の熱損失量は加算されない。そこで同社ではU値に合わせ、Q値表示、C値測定も継続して実施していくことに決めたもの。

 28日の会見で同社取締役営業本部長の鈴木雅徳氏は「実際に暮らした場合の快適さと省エネ性能を表すために、U値に加え実感により近いQ値表示を継続し、顧客にアピールしていく」などと述べた。


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