旭化成不動産レジデンス(株)は、分譲マンション「アトラス調布」(東京都調布市、総戸数331戸)の第1期販売を、9月上旬にも開始する。
同物件は、東京都住宅供給公社が1971年に分譲した、地上5階建て5棟の団地「調布富士見町住宅」(総戸数176戸)を、総戸数331戸(非分譲住宅105戸)の分譲マンションに建て替えるもの。最寄りは、京王線・相模原線「調布」駅徒歩14分。敷地面積は約1万2,000平方メートル。
同社は、2008年から建替え計画に参画。一団地規制により容積率が80%に規制されていたこと、敷地が公道で分断されていたことから、行政や地元警察、地域住民との協議により、一団地規制を撤廃し、容積率を200%に引き上げた。また、公道位置を敷地中央に付け替えた。
建て替えにあたっては、付け替えた敷地にインターロッキング舗装を施し、車がスピードを出せないよう、ゆるやかなカーブにした上で、カフェやキッズルーム、ラウンジなどの共用施設を道路を介して結び付けることで、敷地全体のコミュニティ空間としている。
建物は、鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て、地上8階地下1階建ての2棟。真南向き住戸を中心に、各住戸を前後にずらして並べる雁行型住棟設計を採用。3方向に窓を設け、風や光を豊かに取り込める開放感にあふれた住戸を多数用意した。雁行型住棟のシルエットの美しさを生かすために、駐車場はすべて地下に設置した。
住戸は、2LDK~4LDK、専有面積56~94平方メートル。戸建住宅「へーベルハウス」が子育て期家族のコミュニケーションを深める設計手法として提案している「+NEST(プラスネスト)空間」を採用した。販売価格は、2LDKが3,900万円台から、3LDKが4,700万円台から。坪単価230万円台を予定。7月中旬からプレセールスを開始。地元調布市のファミリー層を中心に、問い合わせ約1,000件、優先来場約200組を得ている。
25日会見した旭化成ホームズ(株)開発営業本部マンション開発第三営業部長の阿佐部 肇氏は「公道の付け替えを行なった、全国初のマンション建替え事業。6年の歳月をかけ、風景づくり、コミュニティづくり、ハウスメーカーらしい一つひとつの住戸へのこだわりを念頭に進めてきた」などと語った。