(一社)日本ビルヂング協会連合会は2日、「ビルエネルギー運用管理ガイドライン<平成24年改訂版>対策メニューの実施状況等に関する調査」結果を発表した。
同ガイドラインは、地球温暖化防止に向けて、ビル業界が取り組むべき共通の指針を定めることにより、テナントと協働し、自主的なCO2削減対策を一層加速させることを目的に、2008年6月に作成されたもの。ビルオーナーが実践できる100の個別対策メニューから構成されており、12年10月に改訂版を発表した。
今回の調査は改訂版ガイドラインの進捗状況をフォローアップするためのもので、同協会会員のビル842棟(回答率:約40%)から回答を得た。
ガイドラインの対策100項目のうち、70%以上実施されていた項目について調査したところ、設備機器の運用を改善する「運用改善メニュー」では、39項目中20項目が該当し、“空調機等のコイル・フィルターの清掃”(98.9%)や“不要照明・不要時間帯の消灯・間引き”(97.7%)などが高い実施率となった。
また、設備機器の改修やシステムの更新等の「投資改修メニュー」では、61項目中4項目で70%以上の実践率に。“LED、Hf等の高効率照明の導入”(81.5%)や“節水型器具・自動水栓・自走洗浄装置への更新”(79.0%)等が上位となった。
東京と東京以外の実施率の比較では「運用改善メニュー」において、東京が10%以上実施率が高い項目が39項目中9項目となり、「投資改修メニュー」においては、同61項目中2項目だった。
一方、大型ビルと中小型ビルの実施比率の比較では、「運用改善メニュー」においては大型ビルが中小型ビルより実施率が10%以上高かった項目は39項目中26項目。「投資改修メニュー」においては61項目中41項目だった。
低炭素社会実行計画における主要な対策メニューについて、13年の実施率は09年との比較で5.1%上昇しており、“給湯供給期間の短縮”(前回比17.7%アップ)、“LED、Hf等の高効率照明の導入”(同11.5%アップ)等の項目の上昇が目立った。
説明会の席上、同協会常務理事の小川富由氏は「前回の調査と今回の調査の間には震災による節電推進があった。東京とそれ以外のビルの実施率に差があると想定していたが、それほど開きはなく、全国的にエネルギー管理への意識が高まったようだ」等と話した。