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「思い」と結び付けることが、これからの住宅デザインのキーワードに/旭化成ホームズ「くらしノベーションフォーラム」

金沢美術工芸大学美術工芸学部准教授の荷方邦夫氏の講演の様子

 旭化成ホームズ(株)は5日、第11回「くらしノベーションフォーラム」を開催した。同フォーラムは、少子高齢化や環境問題などの社会的課題に対し、どのような室内居住環境で、どのように暮らすかという視点から、定期的に情報発信しているもの。

 11回目の今回は「デザイン論から心地よい暮らしを考える」がテーマ。金沢美術工芸大学美術工芸学部准教授の荷方邦夫氏が講師を務め、「デザインが暮らしと人を変える~認知心理学から考えるこれからのデザイン論~」と題し、人が物に愛着を感じる心理要因や、そのデザイン論について紹介した。

 同氏は、ユーザーが自己の所有物に関して感じる満足が、感覚的審美性や機能以外に、購入・使用体験によって生じるエピソードに大きく由来する(ナラティブの価値)ことから、長く使っている、愛着があるなど、デザインを個人の内側で広がる思考・認知・記憶などの「思い」で知識や感情と結び付け「意味」をもたらすことが、これからのデザインを考える上でキーワードになるとした。

 また、くらしノベーション研究所は、入居者調査から分かった住まいの居心地についての調査結果を報告。居心地のよいシーンが生まれる空間が、現状のプランではリビングに偏っていることを指摘。今後、リビング重視の心地よさに限らず、季節と時間帯、行為によって、心地よい居場所が多様に選択できることを意識的に提案していくべきとした。


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