パナホーム(株)と三井不動産レジデンシャル(株)は、藤沢市やパナソニック(株)など12社が参画して進めているスマートシティプロジェクト(土地区画整理事業)「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(SST)」(神奈川県藤沢市)の戸建街区の一部を形成する建売住宅「パナホームスマートシティ Fujisawa SST」「ファインコート Fujisawa SST」を着工した。
FujisawaSSTは、パナソニックの工場跡地約19haに、住宅約1,000戸(戸建住宅600戸、集合住宅400戸)、商業施設、健康・福祉・教育施設などを開発する、計画人口3,000人のまちづくり。総事業費は600億円、全体完成は2018年度。
まち全体で、CO2排出量削減70%(1990年比)、生活用水30%削減(06年比)、再生エネルギー利用率30%を目指す。そのため、自然の力を活かし快適な住環境を実現するパッシブデザイン、タウンデザインや地区計画、電線の地中化等によるサスティナブルな景観デザイン、エコで快適、安全安心なスマートライフを実現するためのハード・ソフトを全面的に導入。タウンマネジメント会社のサポートにより、サスティナブルなまちづくりに取り組む。街区南面の道路に沿いコミュニティソーラー100kwを配し、その売電収入をコミュニティ活動などに充てる。
戸建街区600戸のうち、パナホームが123戸、三井不動産レジデンシャルは124戸の分譲を計画。今年度中に各社50戸ずつを完成させる。販売は、14年1月を予定。販売価格、残りの区画の施工者と施工時期、集合住宅の詳細は未定。全住戸に太陽光発電と蓄電池、約半数を燃料電池採用のダブル発電とし、HEMSでの38ヵ所のエネルギー見える化で、創蓄連携のスマートハウスとする。
また、ナノイー発生器、LEDによりライフシーンにあった照明を行なう「シンフォニーライティング」などの快適設備、玄関門灯の自動点灯、3日分の食料備蓄、ホーム・タウンセキュリティなどの安全・安心機能を導入する。災害時は、蓄電池などから生活継続に必要な電力供給に切り替わり、玄関門灯への電力供給で明るいまちを維持する。
まち全体のエネルギー消費情報をサーバーに集約。ポータルサイトを通じ各住戸で比較し合うことで、省エネ行動に結び付けていくほか、省エネ行動アドバイスやスマート機器の使い方などを継続的に入居者へ発信していく。また、太陽光発電と燃料電池の経済効果を考慮し、両機器による売電分を融資審査から除外する、あるいは金利を優遇するなどといった「環境配慮型提携住宅ローン」を三井住友信託銀行により提供する。
19日会見したパナホーム常務執行役員東京営業本部本部長の平澤博士氏は「当社はスマートシティ事業に積極的に取り組んでいる。Fujisawa SSTは、100年先の未来を見据えたプロジェクトであり、まち全体での幅広い領域での生活継続(CCP)や、タウンマネジメント会社と自治会による持続的なタウンマネジメントを全面的に導入する」などと抱負を語った。
また、三井不動産レジデンシャル執行役員横浜支店長の徳川浩一氏も「自然の力を利用し、エコで快適で安全安心が持続するまちを、住宅だけでなくまち全体で実現する。環境・エネルギー・安全安心に数値目標を掲げそれを実現するハード・ソフトを導入する。当社が標榜する経年優化のまちを目指す」などと語った。