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超高齢化社会に向け「産官学が連携を」/ニッセイ基礎研究所シンポジウム

「高齢化社会の課題を解決すべく産官学が連携していくことが必要」と述べる日本生命保険相互会社代表取締役社長の筒井義信氏
パネルディスカッションの様子

 (株)ニッセイ基礎研究所は10日、設立25周年を記念し、パレスホテル東京(東京都千代田区)にて、「ジェントロジー 超高齢未来に向けた産業界の取組方向」というテーマでシンポジウムを開催した。

 開会の挨拶で日本生命保険相互会社代表取締役社長の筒井義信氏は「アベノミクスによる経済成長の気運の高まりや、オリンピックの東京招致の決定により、これからの日本も輝きと活力を取り戻せるという大きな期待がわき起こっている。一方、最も重要な課題は少子高齢化の対応であるが、これに対し、産業界はどのような取り組みをすればよいのかを産官学のあらゆる知識を結集させ、高齢化の課題を解決するべく実践していくことがまさにジェントロジーである」などと述べた。

 シンポジウムでは、内閣官房参与の丹呉泰健氏が「高齢化社会をどう乗り切るか」をテーマに、日本の社会保障の課題について講演。税と社会保障の一体改革、子育て支援や働き方の見直し、地域包括ケアシステムの構築、また、医療の国際展開や、医療の介護の電子化などが取り組むべき課題であり、「今後の日本のキーワードは、女性、老人、外国人で『女老外』である」と語った。

 また、「産官学連携で拓く!超高齢未来の市場想像」をテーマにパネルディスカッションも実施。同研究所取締役生活研究部部長の中村 昭氏をコーディネーターに、日本におけるジェントロジーの第一人者である東京大学高齢社会総合研究機構特認教授の秋山弘子氏が日本の高齢化社会の現状と課題について解説したほか、イオン(株)グループ営業企画部部長の坂本 潤氏、大和ハウス工業(株)理事の田中一正氏、(株)日立製作所の梶浦敏範氏がそれぞれの企業の取り組みを説明。さらに富山市市長の森 正志氏が近未来のまちづくりに向けた自治体としての取り組みについて紹介。「産官学が現在現場にある課題について、情報を共有・流通させることによって、あるべき姿に向かって連携していくことが必要である」などの意見が述べられた。


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