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空き家の賃貸流通促進へ消費者向けアンケート実施/国交省

 国土交通省は29日、「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」(座長:犬塚 浩京橋法律事務所弁護士)の第2回目を開催した。

 同研究会は、既存の住宅ストックを活用した賃貸流通市場の整備を図ることを目的に、利用可能な空き家を含め個人住宅の賃貸流通を促進する上で必要な課題の分析や、ガイドラインの策定等の必要な方策の検討を行なっている。メンバーは不動産業界団体、地方自治体、弁護士、税理士、消費者など。

 冒頭、同省が前回会合の意見を踏まえ、今後進めていく議題の全体像を発表。賃貸流通が進まない原因の分析として所有者の意向・取引経験や不安感の有無、消費者ニーズや住み替え志向、適切な住宅(空き家)管理などを検討課題とした。必要な取り組みとして、「地域の取り組み・連携の強化」「住み替え促進による市場の拡大」を、必要な取引のフレームとして「賃貸流通を促す賃貸借契約のあり方」「所有者が安心できる住宅(空き家)管理のあり方」を挙げた。

 委員によるプレゼンテーションとして、「移住促進のための空き家活用事業」(島根県)、「マイホーム借上げ制度について」((一社)移住・住みかえ支援機構)、「自宅に対する税制のあらまし」(税理士法人東京シティ税理士事務所)が紹介された。

 意見交換では、「地方での貸し出しの際には職を併せて紹介することが重要」「オーナーが利用しやすくなるよう定借制度の見直しが必要」「空き家のままよりも貸し出す方がメリットが多いということをまずは多く知ってもらうべき」「ターゲットとして子育て世代だけでなく早期退職などをしたアクティブシニアにも目を向けるべき」などが挙がった。
 
 なお、11月には消費者向けに「空き家所有者アンケート」「空き家需要者(利用意向者)アンケート」を実施する予定。

 次回は12月2日(月)16時からの開催。


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