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東京・虎ノ門に環境フラッグシップビル竣工/日本土地建物

「日土地虎ノ門ビル」外観。二重の窓サッシで日射熱の影響を低減する「エアフローウィンドウ」を採用
エレベーターホール。下地の合板には宮城県石巻市の杉を、フローリングは岩手県葛巻町の栗無垢材を使用
南側の外壁に日射を遮断する壁面緑化を施した

 日本土地建物(株)は28日、10月31日に竣工した「日土地虎ノ門ビル」(東京都港区)を報道関係者に公開した。

 同物件は、東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅徒歩3分に位置。敷地面積は約1,500平方メートル、賃貸可能床面積は約8,100平方メートル。現段階でテナントがほぼ決定している。

 同社の環境フラッグシップビルに位置づけており、「エアフローウィンドウ」「屋上緑化」「太陽光パネル」など約20項目の環境関連設備・省エネ技術を導入。一般のオフィスビルと比較して使用電力を約4割削減できる見込みで、アメリカの建築物環境評価「LEED」をはじめ、4つの第三者認定を取得している。

 「エアフローウィンドウ」は、二重の窓サッシを設け、その間の約30cmの空間に室内の空気を循環させることで日射熱の影響を低減、空調の負荷を減らす。ブラインドも、太陽光追従型の電熱遮熱性能を持つものを採用した。

 「LEED」認証取得に際し、水資源への十分な配慮が求められることから、トイレの洗浄や敷地内植栽への水やりなどに、屋上で集めた雨水を再利用する。エレベーターホールの床材には「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」に登録している協定木材を採用した。

 また、地震のエネルギーを吸収するダンパーを備えた制振間柱を外周部の柱に採用。コアまわりに制振ブレースを併せて配置し、地震の揺れも低減する制振構造とした。テナント専有部には災害時を想定した非常用電源を1フロアにつき6ヵ所確保している。

 同社は、同ビルの仕様をプロトタイプ的な位置づけとし、段階を踏んでビル開発における標準仕様に反映させていく。


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