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空き家の賃貸流通促進へガイドライン案示す/国交省

 国土交通省は30日、「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」(座長:犬塚 浩京橋法律事務所弁護士)の4回目会合を開き、これまでの検討結果に係るとりまとめ骨子案を発表した。

 骨子案では、空き家の総数が20年間で倍増し、空き家率も13.1%に達し、その管理も十分になされておらず、特に地方自治体にとって深刻な問題となっていることなど、空き家問題解決が喫緊の課題であると明記。空き家所有者、空き家利用希望者へのアンケート結果から(1)物件の管理に関する不安や初期投資等の費用に関する不安、賃貸借契約に関する不安(一度貸すと戻ってこない)などから賃貸するのを躊躇する所有者がいる、(2)借り手も、原状回復や修繕費がかさむのではないか、所有者や近隣との調整や交渉が大変ではないか、などの不安を抱いている、といった意識や現状が個人住宅の空き家の活用を阻害していると指摘した。

 その上で、「個人住宅の賃貸流通を促進するための指針」を示した。指針は、地方自治体による空き家活用の支援整備や賃貸事業者による事業化支援、借り主に対する支援などをまとめた「取組推進ガイドライン」と、空き家として運営する場合の契約形態をまとめた「契約ガイドライン」、賃貸化中の「住宅管理ガイドライン」で構成。「契約ガイドライン」では、空き家を(1)賃貸一般型、(2)事業者関与型(サブリースなど)、(3)借主負担DIY型(現況有姿物件)、(4)借主負担DIY型(要修繕物件)に分け、貸し主・借り主の負担義務や修繕・原状回復等の考え方を示した。

 これらについて、委員からは「物件収集から情報公開まで、具体的な戦略を盛り込むべき」「活用に当たっての金融サポートの必要性にも言及すべき」「管理の重要性についてもっと踏み込むべき」といった意見が出された。

 同検討会は、2月28日も会合を開き、年度内にとりまとめを固める。


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