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横浜プリンスホテル跡地の大規模再開発マンションが竣工/東京建物他

「Brillia City横浜磯子」空撮。全13棟のマンション、共用施設で構成される大規模開発
最寄駅との高低差を克服するべく、丘の上下を結ぶエレベーター4基を設置。近隣住民にも開放する
横浜市認定歴史的建造物の「旧東伏見邦英伯爵別邸」(通称「貴賓館」)を改修。“和食の鉄人”として有名な料理家・中村孝明氏の創作和食レストラン「中村孝明 貴賓館」として28日にオープンする
会見で握手を交わす、東京建物・田代氏(左)と中村孝明氏

 東京建物(株)が、東京急行電鉄(株)、オリックス不動産(株)、日本土地建物販売(株)、伊藤忠都市開発(株)と共同で開発してきた分譲マンション「Brillia City横浜磯子」(横浜市磯子区、総戸数1,230戸)が、26日に竣工する。

 同計画は、JR根岸線「磯子」駅徒歩4分に、鉄筋コンクリート造地上3~10階・地下1~2階建て全13棟の分譲マンション、商業施設等を建設したもの。建設地は、横浜プリンスホテルの跡地で、横浜港やみなとみらい地区・横浜ベイブリッジを一望できる約11haの広大な丘陵地。ふんだんな緑地や「プリンス坂」と呼ばれた桜の並木道など、恵まれた自然環境を有し、敷地内には、横浜市認定歴史的建造物の「旧東伏見邦英伯爵別邸」(通称「貴賓館」)も保存されていた。

 そこで開発に際し、横浜市への提案型地区計画により、全面地下駐車場採用で空地率を70%まで高めつつ、建物の絶対高さを31mとし、優れた眺望を演出した。最寄駅との高低差を克服するべく、丘の上下を結ぶエレベーター4基を設置。近隣住民にも開放する。敷地内には、マンションのほかスーパーマーケット、コンビニ、横浜市認可保育園、メディカルモール、大規模公園などを整備し、居住者や地域住民の利便性向上とコミュニティ醸成を図っていく。

 また、まちのシンボルとして「貴賓館」を再生。“和食の鉄人”として有名な料理家・中村孝明氏の創作和食レストラン「中村孝明 貴賓館」として28日にオープンする。

 住戸は、2LDK~4LDK、専有面積約56~145平方メートル。2012年1月から販売を開始。これまで930戸を供給し、ほぼ完売した。

 25日に記者会見した、東京建物住宅プロジェクト開発部長の田代雅実氏は「本プロジェクト建設地は、海抜60mの抜群の眺望と、森の緑に包まれた11haを超える広大な敷地であり、開発に当たっては人と環境にやさしいまちづくりと居住者と地域とのコミュニティに力を入れてきた。貴賓館についても、開発当初から地域に親しまれ愛される施設として保存を検討していたところ、中村氏からぜひ出店したいとお声掛けいただいた」などと語った。

 また、貴賓館のレストランを任された中村氏は「このような場所へ出店できるというのは、料理人としての夢であり、私の料理人人生の集大成でもある。横浜の人たちは味に厳しいが、きちんとした仕事をすればちゃんと評価してくれる。地域の人たちに喜んでもらえるような料理を提供したい。今後は料理教室の開催などで地域交流に貢献したい」などと抱負を語った。


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