積水ハウス(株)は7日、代表取締役社長の阿部俊則氏が会見し、2014年1月期決算と今期(15年1月期)以降の見通しについて説明した。14年1月期は、過去最高の売上高・利益を更新。決算数値の詳細については6日のニュースを参照。
同社は現在進行中の中期経営計画の中で、「住」に特化した成長戦略の基盤整備を進めている。事業ポートフォリオを「請負型」「ストック型」「開発型」といった3つのビジネスモデルに分けてそれぞれの設定目標クリアを目指す。「請負型」は戸建住宅、賃貸住宅、「ストック型」はリフォームと不動産フィー事業、「開発型」は分譲住宅、マンション都市再開発、国際事業を分類する。
請負型の事業については、戸建て分野でのゼロエネルギー住宅の拡販、3階建て・4階建て住宅の受注拡大を目指すのに加え、「プラチナ事業」と呼ぶ医療・介護系建築請負の拡大を図る。13年度、同事業の受注高は前期を28%上回る601億円となった。
そのうち、工業化建築(工場出荷材による建築)が409億円(前期比50.9%増)、鉄筋コンクリート建築が192億円(同3.5%減)。12年に発売したサービス付き高齢者向け住宅専用商品「セレブリオ」が貢献し、工業化の比率が大幅にアップした。阿部氏は「高い利益率を確保できる工業化建築の商品を強化することで、2年後には受注高1,000億円まで引き上げたい」と語る。
ストック型事業に関しては、子会社も含めたリフォーム事業の売上高が1,250億円まで拡大。今期は売上高1,350億円を計画する。今後、過去に同社が建築した築10年以上の戸建て・集合住宅約60万棟に対する営業強化などにより、将来的な売上高2,000億円を目指す。
開発型事業である国際事業については、豪州、米国、シンガポールは13年度時点で経常黒字化。残る中国も、14年度には黒字化を達成できると見る。