旭化成不動産レジデンス(株)開発営業本部マンション建替え研究所は25日、3回目となる高経年マンション再生問題メディア懇談会を開催。弁護士を講師に招き、先般閣議決定された改正マンション建替え円滑化法が高経年マンション再生に与える影響や、マンション建替え等に関連する法律などについて、マスコミを集めて解説した。
マンション再生に関連する法律について、ウェルブライト法律事務所所長の村辻義信弁護士と戎・太田法律事務所の戎 正晴氏弁護士が、区分所有法や被災マンション法、マンション建替え円滑化法などのマンション再生に係る部分について、分かりやすく解説した。
村辻義信弁護士は、マンション建替え円滑化法の改正案で、耐震性不足の老朽化マンションが特定行政庁から要除却認定を受け、さらに5分の4以上の賛成多数によりマンション敷地売却決議された場合、マンションの敷地を売却することができるとされたことなどを、分かりやすく解説。それを踏まえ、「管理組合にとっての選択肢が、これまでの大規模改修か建替えかというこれまでの二者択一から、一括売却という選択肢が加わった点については、大きな進歩」と評価した。一方で、「耐震性不足のマンションについてのみに認められているため、これを利用できる高経年マンションにはある程度限定されるだろう」と、高経年マンション問題を解決する上では、耐震性不足以外にも適用要件を緩和することが求められるだろうと指摘した。
また戎弁護士は、耐震性不足の認定を受けたマンションが建替えを行なう場合に、一定の要件を満たしたものについては容積率を緩和する特例が検討されている点に触れ、「容積率以外にも高さ規制や日影規制、その他条例などにより、実質的に再建する建物規模が、容積率緩和を受けても影響しないケースも多い」と説明。既存不適格が多い高経年マンションの対策については、団地再生などの問題も含めて、さらに対応策の検討が進められていくことを期待したい」とコメントした。