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耐震化の促進は急務。官民連携の取り組みを/強靭な理想の住宅を創る会が設立シンポジウム

「各省庁との連携を図り、5月中旬をめどに国土強靭化基本計画を具体化していく」などと挨拶した古屋国土強靭化担当大臣
パネルディスカッションの様子

 (一財)強靭な理想の住宅を創る会は29日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で、財団設立記念シンポジウムを開催。約500名が参加した。

 同財団は、耐震化・省エネ化をはじめとした住宅等の強靭化に関する活動を行ない、巨大災害に対し「建築物被害の最小化」と「しなやかな回復力」を発揮できる国土と地域社会の強靭化に貢献することを目的に、2013年12月発足した。

 冒頭挨拶した、国土強靭化担当大臣の古屋圭司氏は「首都直下型地震が発生した際の被害額は、最悪の場合95兆円と言われている。しかし、耐震化の促進や耐震ブレーカーの活用、火災対策、初期消火の向上により90%の被害が削減できる。当財団が掲げる4つのテーマ、『人の命を守る』『致命傷を負わない』『被害の最小限化』『速やかな復旧』を念頭に、各省庁との連携を図り、5月中旬をめどに国土強靭化基本計画を具体化していく」などと語った。

 引き続き、東京工業大学ソリューション研究機構特任教授の金谷年展氏をコーディネーターに、NPO法人住まいの構造改革推進協会最高顧問の平田 恒一郎氏、(株)日本建築住宅センター代表取締役社長の社本孝夫氏、藤女子大学副学長工学博士の三宅理一氏、古屋氏がパネルディスカッションを実施した。
 ディスカッションでは、耐震化が進まない理由を「住宅が命を守るという意識が欠けている」とし、広く耐震化の重要性を啓発するという財団の役割をあらためて認識。また、理想の住宅づくりを目指すために「さまざまな省庁や民間センターと協力し、ダイナミックな組織で住宅政策に取り組んでいく必要がある」と提言した。


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