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都公社団地再生したサ付住宅、6月入居開始/東建不販

新築された9棟外観
住棟改善を実施した11棟外観。エレベーター新設、2戸の1戸化による住戸面積拡張、内部設備全面的刷新などが行なわれた。なおこの棟には一般賃貸住戸も用意され、多世代共生に共感する人をターゲットに募集を実施する予定
12棟はクリニックや保育所、コミュニティカフェなどが入居する
10号棟のモデルルーム(46.13平方メートル、1LDKタイプ)。ゆとりのシステムキッチンも完備され、元気高齢者でも要介護者でも快適な生活が送れるように設計されている

 東京都住宅供給公社、東京建物不動産販売(株)、(株)やさしい手は3月31日、築55年の旧「烏山住宅」(東京都世田谷区)の建替事業である「コーシャハイム千歳烏山」内のサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ付住宅」)開業を前に、マスコミ向けに物件を公開した。

 同事業は、東京都住宅供給公社が1956~57年に建設した「烏山住宅」(21棟・584戸)を、「コーシャハイム千歳烏山」(12棟・599戸)に再生するもの。保育施設やサービス付き高齢者向け住宅を整備し多世代共生を支援するほか、1棟(11棟)については首都大学東京との共同研究により、既存躯体を残し、補修再生する取り組み(住棟改善)を実施した。

 京王線「千歳烏山」駅徒歩6分。サ付住宅は9~11棟に86戸開設。間取りは1R、1K、1DK、1LDK、2LDK、専有面積は25.06~67.24平方メートルとバラエティを持たせ、入居者の多彩なニーズに対応する。新築である9・10号棟には常駐のコンシェルジュを配置するほか、9号棟にはやさしい手が居宅介護事業所、訪問介護・看護事業所、訪問介護事業所を開設し、サ付住宅入居者だけでなく地域住民も含めて高齢者の在宅生活を支援する。また、カフェレストラン「てらすチトカラ」も併設し、入居者に365日・1日3食家庭料理を提供。地域にも開放する。
 施設専門棟である12号棟には、内科・小児科のクリニック、保育所(認証保育所、病児保育)薬局などが入居。さらに、(有)エヌアンドエスコミュニティアソシエイツがコミュニティカフェ「ななつのこ」の運営を担当。イベント開催やコミュニティカフェの運営などにより、団地入居者・地域居住者のコミュニティ形成を支援する。
 9~12棟については、東京建物不動産販売が20年間一括で賃借し、併設施設に転貸。サ付住宅部分については貸主として賃貸・運営管理していく。

 第1期に55戸の募集を実施。1,125件の問い合わせがあり、全戸申し込みが完了済み。世田谷区烏山という生活しやすいエリアである点や、24時間有人管理などによる安心感、豊富な間取りプランなどが評価されたと東京建物不動産販売では分析している。
 第2期は30戸ほどについて5月に登録を受け付ける計画。同社賃貸営業本部シニアレジデンシャル事業担当部長の菊池達也氏は、「第1期では、世田谷区内、東京都内のみならず、その他エリア居住者からの申し込みも多かった。立地や医療・介護連携という安心感、要介護者から元気高齢者まで検討できる商品構成といった条件を満たす物件はまだまだ少なく、それゆえに1期の好結果につながったのでは」とコメントした。
 第2期は30戸ほどにつき募集を行なう計画で、5月に登録受付の予定。

 サ付住宅部分の入居は、6月初旬より開始する。


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