三井不動産(株)は、「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)の中核街区で開発を進めている「ゲートスクエア」内に、イノベーション拠点「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」を開設。14日の開業を前に、報道陣に向けて内部を公開した。
「経済が成熟した都市が抱える課題を解決するためには、新産業を創造し、需要・雇用を創出し、経済の活性化を図る必要がある」(同社常務執行役員・小野澤 康夫氏)との考えから、同社では「LIASON-STAGE」(東京・霞が関)、「Venture Support Center」(千葉・幕張)など4ヵ所にインキュベーションオフィスを展開してきたが、今回がその第5弾となる。
「KOIL」は、職種や立場を越えたさまざまな人々の知識、技術、アイディアを組み合わせることで新事業や製品・サービスを創造する場として誕生した施設。国内最大級となるコワーキングスペース「KOILパーク」、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション機器を揃えた「KOIL ファクトリー」、さらに人と人との交流を生み出すための、カフェやスタジオ、ミーティングルームなどで構成されている。
「KOILパーク」は、国内最大級となる170席を用意。オープンな空間にクリエイティブな家具を配置し、人々の交流を促進する。作業に集中したいときに使えるデスクも配置するなど、そのときの気分やニーズに合わせたワークスタイルをサポートする。
「KOILファクトリー」にはレーザーカッターや3Dプリンター、3Dスキャナなどのデジタルファブリケーション機器を用意し、省コスト・短時間でアイディアを立体的な試作品にできる環境を整備する。なお、デジタル機器の活用をサポートするスタッフを配置し、利用体験プログラムも用意することで、一般の生活者にも活用してもらえる体制を整える。
その他大型スクリーンや映像・音響の各種設備を完備したスタジオや、会議・会合などに使えるミーティングルームやサロン、食事のほかソフトドリンクやアルコールも提供するカフェなども完備し、出会いの創出や、コミュニケーションが図れるような工夫をしている。
利用にあたっては「KOILパーク会員」への入会が必要で、月契約での利用が基本となる。利用料金は「KOILパーク」が使い放題となる「使い放題プラン」(6~23時まで使用可)が月額1万8,000円、「アフター6+週末プラン」が9,000円など。法人会員も用意している。
創業支援の観点から、創業支援を行なう(一社)TXアントレプレナーパートナーズが活動本拠点として「KOIL」に入居し、常駐スタッフや起業・経営を持つメンターが、「KOIL会員」を対象に起業準備からグローバル展開、株式上場まで、さまざまな創業支援プログラムを提供する。
また、国内外に約2万人ものクリエイターネットワークを持つ(株)ロフトワーク(代表取締役:諏訪光洋氏)と連携し、「KOILパーク会員」のみならず、周辺の大学・研究機関の人や地域住民を始めとする生活者、活躍するクリエイター、エンジニア、起業家などを対象に、セミナーや体験型ワークショップ、イベントプログラムなどを提供。これらの取り組みにより、イノベーションを誘発し、新産業創造を支援していく。
なお、同社は4月、「ベンチャー共創事業室」を新設。「KOIL」の運営を推進すると共に、さらなる革新的事業にチャレンジしていく計画。