住友林業(株)は11日、組織培養により増殖させた総本山仁和寺(京都市右京区)の「御室桜」が初めて開花したと発表した。
御室桜の生態の解明や景観維持を目的に行なっている「御室桜研究プロジェクト」の一環として実施したもの。
御室桜は、人の背丈ほどまでにしか成長しないことや八重咲きであることなどが特長。同寺の桜は樹齢360年超。樹勢の衰えが顕著であることから枯死も危惧されていたほか、先祖帰りにより一重咲きになるなど本来の景観が失われることも懸念されていた。
同社グループでは、2007年の同プロジェクト発足以来、筑波研究所で後継稚樹の増殖に関する研究開発を進めており、12年2月に植栽可能な大きさに成長した培養苗を境内に植栽。今回が初めての開花となった。なお、今回開花した桜は、御室桜本来の八重咲きであることが確認されている。
同プロジェクトチームでは、今後も調査研究を進めていく考え。