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耐火3階建て賃貸住宅を共同開発。住宅商品では初/トヨタホーム、ミサワホーム

耐火3階建て賃貸住宅の完成予想図。都市部の建替需要の取り込みを図る

 トヨタホーム(株)とミサワホーム(株)は25日、共同開発した耐火構造の3階建て賃貸住宅を発売する。両社は2005年に資本提携して以降、資材調達や物流、住宅部材の共通化などに取り組み、13年には高性能フィルター搭載の換気システムを共同開発している。住宅商品の共同開発は戸建て・賃貸を通じて初となる。

 ターゲットエリアは三大都市圏の都市部の防火・準防火地域。築30~40年の建て替え期を迎えた賃貸住宅が急増しているのに加え、特に東京都では、「木密地域不燃化プロジェクト」と称して、建て替えに補助金を拠出するなど、木造住宅密集地域での建築物不燃化促進を目指している。

 ところが両社ともに、防火・準防火地域に建てられる賃貸住宅商品を持っていなかった。トヨタホームの軽量鉄骨軸組「EST工法」とミサワホームの80mm厚の外壁パネル「ニューセラミック外壁」を組み合わせて耐火構造の賃貸住宅を商品化し、大都市圏の相続対策ニーズ高揚を背景にした建て替え需要を取り込んでいく。

 ただ、住宅メーカー各社が相続対策を当て込んだ建替受注の取り込みを強化する中で、同商品の発売は後発組。「当社にとっては今まで受注できなかった市場であり、ようやく他社と同じ土俵に立ったと言っていいだろう。価格競争力はあると考えている」(ミサワホーム取締役常務執行役員住宅事業本部長兼ストック事業本部長・横田純夫氏)と、新市場開拓に意欲をみせる。

 商品は、インナーバルコニーの採用などにより快適なLDKを提案。全フロアへの防火シャッター、オートロックエントランスドア、アルミ樹脂複合サッシ、浴室乾燥機付きユニットバスなど防犯や快適性などに配慮している。

 トヨタホームは首都圏で「エスパシオ」ブランドで、ミサワホームは三大都市圏で「ハイブリッド」ブランドで、当面は販売エリアとプランを限定して販売する。首都圏では両社が競合するが、「両社で切磋琢磨してくれればいい」(横田氏)として、販売エリアの分割などは行なわない考え。プランは1K~2LDKの東西反転含む28プランを用意。1坪当たりの販売価格は税抜き78万円から。


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