不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

業界初のEVとPVの連携システムを搭載した木質系スマートハウスを発売/積水化学工業

「グランツーユー V to Heim」外観イメージ
「V to Heimシステム」イメージ

 積水化学工業(株)住宅カンパニーは1日、業界初のEV(電気自動車)・PV(太陽光発電システム)連携システムを標準搭載した木質系スマートハウス「グランツーユー V to Heim(ブイ トゥ ハイム)」を発売する。

 従来、EVから住宅への電気利用には電力会社からの電気を一時遮断するなどさまざまな制約があったが、これらを解消し、EVを住宅用蓄電池として本格的に活用できる技術(「EVパワーコンディショナ」)を開発。一般的な住宅用蓄電池の数倍の蓄電容量を備えたEVを、大容量蓄電池としてPVと連携させることで、実用的なエネルギー活用を可能にした。EVの対応機種は、日産自動車LEAFと三菱自動車i-MiEV。

 PVの発電エネルギーをEVの大容量蓄電池に貯め家庭生活や自動車走行に利用することで、家とクルマから排出するCO2の合計を計算上でゼロ以下にし、PVとEVを最適に連携させることでエネルギー自給率も最大約75%にするなど環境性の向上を実現した。
 また、10kW以上の大容量PVを搭載し、売電と安価な深夜電力を活用することで、光熱費と燃料費合わせて約68万円/年の家計節約効果も望める。

 さらに業界で初めて、停電時にPV電力をEVに充電することを可能にした。これにより非常時に、EVの電気を使いきっても、PVから再充電することで再びEVを電源として利用でき、数日におよぶ大規模停電が発生した場合でも電力が確保できる。また、高出力(最大6,000W)のため、エアコンやIH調理器など、ほぼ日常生活並みの家電の利用も可能となっている。

 発売エリアは東北、関東、中部エリア(積雪・寒冷地域を除く)で、電力会社と系統連携が出来次第、全国に展開していく予定。初年度販売目標は300棟、次年度は500棟を見込む。なお、発売に当たり「V to Heimモニター制度」を導入することで、ユーザーの実質負担額を軽減する。例えば、PV 5.08kWとHEMS、EVパワーコンディショナのシステム価格356万円(税抜)のところ、モニター協力金、公的補助金を活用し、236万円程度に抑えることができる。

 30日に行なわれたマスコミ向け発表会では、住宅カンパニープレジデント関口俊一氏が、「光熱費ゼロ、エネルギーゼロ、そして最終的なキーワードは電力不安ゼロ。われわれの最終的なスマートハウスの目標は自分の家の電力は自分で賄う自給自足の家。今回の商品はそれに一歩近づき、先頃発表した中期3ヵ年計画で掲げる『先進性』という面で自信を持って紹介できる商品となった」などと抱負を述べた。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら