(株)東京カンテイは7日、三大都市圏主要都市で最寄駅から徒歩10分以内の分譲マンションが賃貸された場合の、築年数ごとの賃料水準の違いを調査し、05年以降の推移を分析した。東京23区、大阪市、名古屋市において、築3年以内、15年、30年のデータを抜粋し、1平方メートル当たりの平均賃料を算出した。
東京23区の2014年1~3月の平均賃料は3,149円(13年通年3,064円)となった。築3年の物件は4,081円(同3,932円)、築15年3,046円(同2,913円)、築30年2,603円(同2,585円)となった。
築3年の物件の推移をみると、07年に4,024円、08年4,223円を記録し、その後リーマンショックで12年3,620円まで低下した。その後は上昇トレンドで推移。新築の分譲マンションが賃貸市場に登場する例も増えて平均値を押し上げており、リーマン前の水準に近づいている。「築3年以内の物件の賃料水準は、市況によって左右される傾向が強い」(同社)と分析する。
築15年の物件は、築3年ほどではないが、似た変動曲線となっている。築30年の物件は、リーマン前に3,000円台となったものの、それ以降は緩やかに低下、11年以降は2,600円前後で推移しており、市況によるブレは少ない。
大阪市も、東京と同様の賃料の変動曲線を描いている。築3年以内の物件は08年に3,178円でピークとなり、リーマンショックで10年に2,655円、12年2,594円まで下がった。その後2年は上昇傾向で、13年に2,906円、14年1~3月は3,114円となっている。築15年は横ばいで推移していたのが11年を境に緩やかな上昇傾向となっている一方、築30年になると一貫して低下傾向が続いている。
名古屋市に限ると、築3年以内の物件はリーマン前の07年、08年に上昇のピークが来ておらず、2,300円台前半で横ばい推移していた。ただ、11~13年にかけてわずかに上昇し、14年1~3月は築浅物件の増加により2,989円に急上昇している。大阪市と同様に、築15年は緩やかな上昇傾向、築30年は低下が続いている。