東京都は26日、帰宅困難者対策条例施行から1年が経過することから、都内の事業所を対象に、大規模災害発生時に備えた取り組みがどの程度実施されているかを把握するためアンケート調査を実施、その結果を公表した。
郵送によるアンケート調査で、調査時期は2014年1月8日~2月27日。調査対象は、都内の従業者規模30人以上の事業所(医療業、公務を除く)より5,000事業所を抽出した。有効回答数 は2,226件。
調査の結果によれば、従業員用の備蓄をしている事業所の割合は、「飲料水」が80.5%、「食料品」が74.7%、「災害用トイレ」が53.0%、「毛布」が51.2%となった。「飲料水」、「食料品」については3日分以上の備蓄をしている事業所はそれぞれ49.8%、49.1%であるが、「災害用トイレ」については33.8%にとどまった。
なお、従業員向けの備蓄をしない理由では「備蓄の保管スペースを確保することが難しい」が35.5%で最も多かった。
また、施設利用者向け備蓄品の備蓄状況では、施設利用者や外部の帰宅困難者向けに10%以上余分に備蓄をしている事業所は25.1%。一方、施設利用者等への備蓄を用意していない事業所は65.1%となった。
災害時における施設利用者の受け入れについての意向では、受け入れることが難しい事業所は42.1%、受け入れる可能性がある事業所は31.2%、検討中の事業所は25.7%となっている。施設利用者を受け入れることが困難な理由としては、「利用者を受け入れるスペースがない」が41.7%で最も多く、次いで「利用者用の水・食料等の備えがない」が30.4%となった。
災害時における帰宅困難者の受け入れについての意向では、「すでに一時滞在施設として協力するため区市町村と協定を結んでいる」および「一時滞在施設として共用のフロア等に帰宅困難者を受け入れる可能性がある」事業所は合わせて5.3%。一方、「一時滞在施設への協力はできないが、災害時の来客者に対して一時滞在施設開設までの間、帰宅困難者を受け入れる可能性がある」事業所は41.7%となった。
また、事業継続計画(BCP)の策定状況では、すでに策定している事業所の割合が56.5%、策定するか検討中の事業所の割合が20.9%、未策定の事業所の割合が17.2%。なお、事業継続計画をすでに策定している事業所の割合は、従業員数が少ない事業所ほど小さくなる傾向が見られた。