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オフィス賃料が回復傾向に。東京も上昇と予測/CBREフォーラム

「不動産フォーラム2014」の様子

 シービーアールイー(CBRE)は28日、六本木アカデミーヒルズ(東京都港区)にて、「不動産フォーラム2014」を開催。不動産投資、オフィス、物流(インダストリアル)、リテール(店舗)、ホテルの各セクター別マーケットの動向・現状や今後の見通しについて講演を行なった。

 冒頭挨拶に立った代表取締役社長 CEO ベンジャミン・マーク・ダンカン氏は、「アベノミクスや東京オリンピックの招致成功で日本のセンチメントはかなり高まりつつある。不動産投資市場においてもすべてのセクターで活気が出てきた。東京においての空室率の低下や賃料の上昇も見られる中、オフィス市場においても2014年第1四半期で過去の5期よりも需要が高く、賃料の上昇期待も高まっている」などと述べた。

 不動産投資においては、同社アジアパシフィックリサーチヘッドのヘンリー・チン氏が「アジアパシフィックマーケットの展望」について解説。13年と比較すると14年は、欧州とアジアパシフィックの投資家が投資額を増大する傾向にあるとし、欧州の投資家は主に自地域への投資を好む傾向があり、アジアパシフィックは、グローバル市場ターゲットとし広く分散していく傾向があると解説。また、3年ほど上昇しなかったアジアパシフィックにおけるオフィス賃料が、ようやく回復傾向となり、東京のオフィス賃料も上昇が見込めると予測した。

 続いて、同社インダストリアル営業本部シニアディレクターの小林 麿氏が物流不動産マーケットの展望について講演。13年は3PLや通販の拡大で予測していた以上に需要が伸び、賃料も上昇傾向にあると分析。14年以降の新規供給予定は18万坪とやや限定的で、現時点でテナント内定率は50%と需給環境はタイトに推移。15年以降は再び供給計画が増加するものの、空室率は5%程度にとどまると予測した。

 その他、リテールサービス、オフィスサービスなどの講演を実施するほか、講演後には各セクターを代表するさまざまな企業などからパネリストを迎え、今後の展望などについて活発な意見交換が行われた。


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