不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

23区の大規模オフィスビル供給量、14年以降は過去平均並みの水準で安定推移/森トラスト調査

 森トラスト(株)は3日、2014年の「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査」を発表した。調査対象は延床面積1万平方メートル以上の大規模ビルおよび中規模ビル(延床面積5,000~1万平方メートル、13年より調査開始)。

 13年の23区大規模ビル供給量は、66万平方メートルと過去20年の平均(110万平方メートル)を大幅に下回った。大手町・丸の内地区の建替物件をはじめとする大規模開発の竣工が集中した12年の反動もあるとの見方も強い。14年も93万平方メートルと過去平均を15%程度下回る見通しで、15~17年は年間100万平方メートルを超えるものの過去平均並みの水準で安定的に推移するとみられる。ビルの規模別では、14~17年は5万平方メートル以上の大規模ビルの供給が大幅に増加する見通しとなっている。

 供給エリアは都心シフトが進み、14~17年は都心3区の供給割合が7割に達する見通し。区別では、「千代田区」のシェアが全体の約3割を占め、「港区」が大幅に上昇し2割超、「品川区」が1割に上昇する。地区別では都心3区内の地区が上位を占める一方、供給量上位10地区の変化では、10~13年の「西新宿」「中野」「臨海」などに変わり、「虎ノ門・新橋」「港南」「芝公園・浜松町」といった港区内の地区が新たに加わっていることが特徴的。

 開発用地については、14~17年も都心3区では建て替えによる供給が約7割と高水準を保つ。大手町・丸の内に加えて八重洲・日本橋・京橋でもストックの更新が本格化しており、今後も建て替え中心の供給が続く。都心3区以外では「低・未利用地」での供給が約8割となり、建て替えは約2割に留まる見通し。

 また、13年の23区中規模オフィス供給量は、15万5,000平方メートルと過去10年間平均(12万6,000平方メートル)を大幅に上回ったが、14年は11万5,000平方メートルに減少し、15年も過去平均を下回る見通し。大規模ビル同様の都心シフトが進み、14~15年の都心3区の供給シェアは約8割になる見込み。また、都心3区では8割が建て替えによる供給となるが、それ以外では6割強が「低・未利用地」による供給となるとみられている。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら