三井不動産(株)は、千葉県柏市で進めてきた「柏の葉スマートシティ」開発における駅前街区「ゲートスクエア(GATE SQUARE)」を8日にグラントオープンする。
「ゲートスクエア」は敷地面積1万6,768平方メートル、地上7階地下1階建ての「ショップ&オフィス棟」と、敷地面積7,577平方メートル地上14階地下1階の「ホテル&レジデンス棟」で構成。柏の葉のまちづくりのテーマである「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」の3つのテーマに沿った機能を持たせ、それぞれの取り組みを推進していく。
「環境共生」への取り組みでは、ホテル&レジデンス棟2階にまち全体のエネルギーを運用・監視・制御するための中核システム「柏の葉スマートセンター」を開設。まち全体のエネルギーをマネジメントする「柏の葉AEMS(エリアエネルギー管理システム)」を本格稼働。エリアのオフィスや商業施設、住宅などに設置されたHEMSやBEMSなどからの情報を基に、需要状況を見える化し、地域全体のエネルギー情報を一元管理する。また非常時に系統電力がストップした際などには、創エネ、蓄エネした電力を3日間継続的に供給、まち全体のBCP、LCP(生活継続計画)を支える。
その他、電気自動車や電動バイクなどのさまざまな車両をまち全体で共同利用する「マルチモビリティ」システムを導入した。これは柏市内に設置された6ヵ所のパークで車両の貸し出し・返却ができるというシステム。
「健康長寿」への取り組みでは、「ショップ&オフィス棟」3階に、疾病予防をテーマとした「街のすこやかステーション」を設置。東京大学と民間企業の産学連携による無料健康サポート拠点「あ・し・た」を始め、健康サービス専門店12店舗をそろえた。
「新産業創造」に向けては、「ホテル&レジデンス棟」に、一般客室(137室)と家具家電などを備えたサービスアパートメント(29室)を擁する「三井ガーデンホテル柏の葉」、スタジオタイプから3LDKまでバラエティを持たせた賃貸住宅「パークアクシス柏の葉」(114戸)、国内外から集まる研究者や留学生が知的交流や文化交流を行ないながら生活できるシェア型賃貸住宅「柏の葉インターナショナルビレッジ」(31戸/41室)をオープン。短期滞在から長期居住までの多様なニーズに対応する。また先行オープンしているコワーキングスペース「KOIL」(柏の葉オープンイノベーションラボ、ショップ&オフィス棟6階)と合わせて、多様な人材交流を促進し、新産業創造を後押しする。
会見で、同社代表取締役の菰田正信氏は「柏の葉スマートシティ開発の第1ステージの取り組みの中核街区が『ゲートスクエア』である。世界で最先端のスマートシティの“ショーケース”として、国内外に情報発信していきたい」と語った。