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林野庁補助金事業の幼稚園を完成/三井ホーム

約77畳の遊戯室

 三井ホーム(株)は、地域材を用いて木造化・木質化した大規模木造建築物となる幼稚園(千葉県富津市)を完成させ、21日に現場見学会を開催した。

 同社施設系建築「with wood」として、初めて林野庁の森林整備加速化・林業再生基金事業に採択されたもの。学校法人富津学園 明澄幼稚園が事業主となり、園舎を建て替えた。

 建物は木造(枠組み壁工法)の地上1階建て。職員室等と園舎本棟、渡り廊下からなり、建築面積は約827平方メートル、延床面積は約738平方メートル。
 使用した枠組材は、千葉県森林組合の協力による原木搬出および枠組壁工法の構造用製材のJAS工場による格付け、枠組み材やトラスの強度確認試験を経ている。

 建物内は採光と開放感を演出するため、同社独自のコネックプレートで緊結されたトラスを使用し、大空間を構成。天井はスロープシーリングとすることで、平屋建てでも最大5mの天井高を確保した。さらに上部に設置した緩衡ゾーンを設けることで、太陽光を有効に取り込めるようにした。
 事業主の「木造の園舎は子供たちの情操教育に良い」という考えを反映し、教室の床にはヒノキ、壁や天井には杉羽目板をふんだんに使用するなど、安全で健康的な居住環境を創出した。

 見学会において、同社大規模木造事業部長の松尾 隆氏は「昭和女子大学の木村宣之教授とアトリエソン(有)、当社の3者で教育施設の建築物について研究する『学校研究会』を組織しており、今回の物件はその研究成果の第1弾となる。今後もこのような取り組みを加速していきたい」と話した。


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