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「新宿三井ビルディング」、BCP対策と制震対策を強化/三井不動産

BCP対策強化として設置したガスタービン式発電機
屋上に設置の超大型制震装置TMD。ケーブルで300tの錘をつるし、錘が揺れることで建物の振動エネルギーを吸収し地震の揺れを抑制する

 三井不動産(株)は、「新宿三井ビルディング」の防災設備増強工事を完成。1日、報道陣に公開した。

 同社は、2012~16年度の5年間に、200億円を投じ、自社で所有する既存ビルのうち約60棟について防災・BCPに関する機能を新築トップクラスビルと同水準に向上させる計画。同ビルの改修もその一環で、6月に工事が完了していた。

 今回の改修で、ガスタービン式の非常用発電機(2000KVA)3基を新設。燃料タンク(2万リットル)9基により、非常用発電機を稼働させるだけの十分な燃料を確保し、電力供給が絶たれても、72時間継続して電気を送電できるようになった。

 屋上には超大型制震装置TMDを設置。従来高層ビルの風揺れ対策に使用されてきたTMDの技術を同社と鹿島建設(株)が日本で初めて発展応用させ、超高層ビルの地震の揺れ対策の制震装置として実用化したもので、6基設置する予定。1基につき300t、計1,800tの錘が揺れることで建物の振動エネルギーを吸収する。

 また、建物の5~10階に高性能オイルダンパーを48台設置し、建物の揺れに応じてダンパーのオイル流量を制御する。これにより、直下型から長周期までさまざまな地震の揺れ幅を半分以下に低減する。設置工事費用は50億円。竣工は15年4月末の予定。


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