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「理想の住まい探し」テーマに消費者セミナー/全宅連

会場には約300人の参加者が集まった
あいさつする全宅連常務理事の阪井氏
パネルディスカッションで中古住宅市場について議論した(写真左から辰巳氏、井形氏、阪井氏)

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会は21日、木材会館(東京都江東区)で消費者セミナー「理想の住まいの見つけかた」を開催した。(株)エフエム東京が運営協力、同局の人気番組「クロノス」とコラボレーションして実施、約300人が聴講した。

 冒頭挨拶した同会常務理事・人材育成委員会委員長の阪井一仁氏は「日本の住宅投資額の総額870兆円に対して、投資価値は300兆円程度といわれている。新築住宅を買っても、中古になったら半値以下というのは悲劇。皆さんに、中古住宅の良さを知っていただきたい」等と語った。

 第1部では、作家の井形慶子氏が司会の元Jリーガー・中西哲生氏とトーク。井形氏はこれまでに100回以上渡英した経験から学んだ住まいのあり方について「イギリスでは、98%の人が築60年以上の住宅に住んでいる。様式美が残っていることなど、古いものが高く評価されるのは、アンティークなどにも通じる考え方。長い時間をかけ、自分の理想の家をつくっていく、豊かさと新しさはイコールではない」など持論を展開した。

 同氏は、イギリスで140年の農家を、7年かけてリフォームした事例なども紹介。日本においても、井形氏自身が東京・吉祥寺の老朽化した45平方メートルの築古マンションの1室を500万円で購入し、200万円をかけてリフォームした事例なども披露した。「なかなかこうした物件は出ないが、地元の不動産会社が情報を持っている場合が多い。不動産会社に足しげく通い、仲良くなることが肝要です」(井形氏)。

 第2部では、井形氏、阪井氏に加え、俳優の辰巳琢郎さんを招いてパネルディスカッションを実施。リフォーム番組に15年ほど前から出演している辰巳氏は、「ボロボロでどうしようもない物件がリフォームで生き返る。大量生産・大量消費の時代が終わり、ようやくこうした時代になった」などと語った。その他にも、「空き家問題」「買い時」「中古物件の見極め方」など、さまざまなテーマで議論を深めた。


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